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四大監査法人徹底比較①〜財務分析から考える監査法人〜

2017/06/04

TSU88_awaitoykyo

こんにちは、会計士GTRです。

今回は、ずーと書きたかったテーマ。四大監査法人の比較について書きました。

業績比較をするとともに、私の持つ勝手なイメージについて書いています。

できればあらたを入れた四大監査法人でやりたかったのですが、あらたはまだ有限責任監査法人に移行していないので業績は公表されてないので断念(2016年7月1日に有限責任監査法人へ移行予定)。

あらたについては有限責任監査法人ではないので、開示されている情報が限定的ですが可能な限り数値を集めて比較しました。

今は監査法人は誰でも希望する法人に入れるようになり、就活は合格者の選考の場ではなく、合格者が法人を選ぶ場となっています。

この状況はまだしばらくは続くでしょう。

受験生にとってはラッキーなタイミングなので、是非後悔しないように監査法人を選んでください。

少しでもその際の参考になれば幸いです。

なお、四大監査法人徹底比較シリーズ第二弾として「四大監査法人徹底比較②〜口コミから考える監査法人評価〜」も書いているので、こちらも是非ご参照下さい。

 

 

以下単位
金額:百万円
人数:人

新日本有限責任監査法人

人員推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
社員※1 637 631 640
使用人※1 5,221 5,424 5,644
(使用人の内、会計士等※2) 3,586 3,944 3,941
合計人員数 5,588 6,055 6,284

※1 まず監査法人について詳しく知らない人のために説明すると、監査法人の従業員は社員と使用人に分けられる。通常会計士として監査法人に入所すると、使用人として一番下の職位であるスタッフから始めることになる。その後年次が上がって評価が良ければスタッフ→シニアスタッフ→マネージャー→シニアマネージャー→パートナーと昇格していくことになる。このゴールであるパートナーという職位になると、晴れて使用人から社員に格上げされる。社員は監査法人の従業員であり出資者(株式会社の株主に相当)でもあり、監査法人においては監査報告書にサインができるのは社員だけである。また、社員の中でも偉くなると一般企業の取締役に相当する仕事も担当することになる。

※2 使用人のうち公認会計士及び公認会計士試験合格者の人数

全体としては人数は増えているが、2015/6期は2014/6期から公認会計士等は横ばいな状況。上記表の社員のうち会計士は618人で、使用人の内会計士等3,941とあわせると4,559人となり、会計士のうち13.5%が社員である計算となる。
やはり人員数でも三大の中で(ということは全監査法人の中で)最大であり、使用人会計士の数もトーマツの3,817人、あずさの3,642人と比較しても多い。

 

 

 

売上推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
監査売上 76,355 77,017 77,597
非監査売上 16,153 19,391 21,578
売上高合計 92,508 96,409 99,175

売上の伸びは2013/6期から2014/6期が4.2%増、2014/6期から2015/6期が2.8%増となっている。
監査売上は減っていないが伸びてもいない。非監査売上増加傾向にある。
売上構成比では2013/6期で監査:非監査の比率が83:17だったのが、2015/6期で監査:非監査の割合が78:22となっており、監査売上は伸び悩んでいるが非監査を伸ばすことで売上増加となっている。

 

 

 

段階損益推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
業務収入 92,508 96,409 99,175
営業利益 315 170 227
経常利益 776 763 1,096
税前利益 776 763 1,096
当期純利益 352 284 800
  2013/6期 2014/6期 2015/6期
営業利益率 0.3% 0.2% 0.2%
経常利益率 0.8% 0.8% 1.1%
税前利益率 0.8% 0.8% 1.1%
当期純利益率 0.4% 0.3% 0.8%

利益率が超低い。ずっと低い。異常に低い。
原因はわからないが、直近三年間の推移だけ見ていると利益率があがることもなさそうに見える。
一会計士の立場で考えると、法人の利益が低くてももらえる給料が高ければそれでいいという面もある。しかし一人当たり人件費(下記参照)は特に多いわけでもないので、利益水準が低いのは他に原因がありそうだ。
税前利益で10億円前後の状況が続いているが、来年はここに21億円の課徴金が加わる。
おそらく来年は新日本のボーナスは雀の涙といったところだろう。

 

 

 

一人あたり人件費

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
人件費 67,911 70,019 69,798
一人当たり人件費 ※1 11.6 11.8 11.3
会計士等
一人当たり人件費 ※2
15.1 15.4 15.2

※1 一人当たり人件費は、人件費(新日本は人件費としての開示がないため報酬給与、賞与、退職給付費用、社員退職引当繰入、法定福利費、福利厚生費の合計)を分子、社員数+使用人数の前期末と当期末の平均を分母として算定している。

※2 人件費の中には非会計士がいるので、その分を人件費から除外しないと会計士等一人当たり人件費は意味をなさないが、あずさが会計士等以外の使用人数を出しておらず、総従業員数での比較ができないため、比較のために算出している。分母は社員(特定社員を含む)+会計士及び会計士試験合格者である使用人から算定している。

 

まず初めに、この指標は各法人が出しているわけではないので、私が把握できる指標をもとに算出していることを断っておきたい。各法人が出している内容もバラバラで比較可能性が十分担保されているとはいいがたい。それでも我々会計士はにとって一人当たり人件費=平均年収となるので、この情報は重要だと思うので算出してみた。(ざっくり計算したので間違いがあるかもしれない。もしご指摘があれば修正します。)
一人あたり人件費はトーマツと同水準、あずさよりは高いというイメージ。会計士以外の使用人を入れても一人あたり人件費=平均年収が11.3百万円というのは思ったより高い。社員で稼いでいる人は数千万単位でもらっているのでそこが平均を引き上げている面はあるだろう。

 

 

 

新日本有限責任監査法人のイメージ

ここからは完全に私の独断と偏見によるイメージ。何の信憑性もないことを最初に断わっておきたい。その上で各法人のイメージについて書いてみる。

 

①落ちぶれた名門?

今や新日本といえば東芝、東芝といえば新日本。それぐらい東芝事件のインパクトは大きかった新日本。

監査法人の規模としては日本1位であり、自称リーディングカンパニー。

しかし最近はやらかし癖が目立つ。

数年前にオリンパスで業務改善命令を受けたのに、数年してまた東芝で行政処分を受ける。しかも今回は21億円の課徴金に新規契約業務の3カ月間停止。課徴金は制度発足以来初という不名誉だ。

先日富士フィルムの会計監査人を新日本からあずさに交代するという記事が出ていたが、富士フィルム以外にも動きは色々とある。

最近公表された上場企業の会計監査人の交代は、私の知るところで4月11件、5月19件(5月14日現在)。そのうち半分以上の16件(あかつきフィナンシャルグループ株式会社、株式会社東京衡機、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング、株式会社レッド・プラネット・ジャパン、東洋機械金属株式会社、株式会社JALUX、トランスコスモス株式会社、株式会社Jストリーム、SFPダイニング株式会社、川本産業株式会社、こころネット株式会社、株式会社マイスターエンジニアリング、株式会社ツムラ、株式会社朝日ラバー、オイレス工業株式会社、王子ホールディングス株式会社)が新日本監査法人から他の監査法人への交代だった。この中には新日本が契約を切られたものだけじゃなく、新日本が自ら契約を切ったものもあるかとは思うが、それでも大部分は東芝関連で新日本が契約を切られたと見るのが自然だろう。

今後まだ新日本から別の監査法人へ変更する動きが表に出るだろう。そして話を聞く限りその中にはかなりのビッグクライアントも含まれている。

クライアントの流出以前に所属する会計士の流出も始まっている。

 

②保守的なイメージ

最近あまり良いイメージはないかもしれないが、誤解しないで頂きたいのは大部分の会計士は真面目に監査をやっているだろうし、監査の質も低くはないのだろう。

一部の不祥事がこうして法人全体の評判を下げるのは、きちんと仕事をしている会計士にとっては迷惑な話だろうが、それが監査法人というものだ。

もともと保守的な人が多く、すごく真面目にコツコツと質の高い仕事をするという印象を持っている会計士は多いと思う。

転職したり独立したりする会計士は他の監査法人と比較して多くないイメージだが、それだけ監査法人の居心地がいいということかもしれない。

 

③それでもやっぱりNo1

東芝の事件があっても監査業界のNo1である点には変わりない。

監査法人の有限責任化も、一時期の早期退職による人員削減も、新日本が最初にやり他の法人が追随する形となっており、監査業界のリーディングカンパニーというのも伊達じゃない。

会計関連の書籍も良書は新日本から出版されているものが多い。

そして信頼の新日本のサイト。会計処理がわからなくてネットで調べると大体トップに新日本のサイトが出てくる。内容もとてもわかりやすく、経理の人間にとって頼れる情報源となっている。

次何かしたら潰れるという意見もあれば、もはや新日本の規模を潰したら日本経済への影響が大きすぎて潰せないという意見もある。

 

 

 

 

有限責任監査法人トーマツ

人員推移

  2013/9期 2014/9期 2015/9期
社員 666 684 573
使用人 4,806 5,155 5,597
(使用人の内、会計士等) 3,568 3,685 3,817
合計人員数 5,472 5,839 6,170

人員数は増加傾向にあり、2013/9期から2014/9期で6.7%増、2014/9期から2015/9期で5.6%増。
トーマツはリクルートで他法人に負けているという印象があるが、会計士が増え続けているという状況をみると相対的に辞める人が少ないか、中途採用を増やしているということだろうか。
2015/9期は、社員のうち会計士529人(上記573人のうち非会計士が44人いる)、使用人の内公認会計士3,817人をあわせると4,346人で、会計士のうち12.1%が社員である計算となる。
社員+職員の合計は6,170人で、新日本の6,284人に対し人員数の規模は98%。会計士の数でいえば新日本とあずさの間という感じだ。

 

 

 

売上推移

  2013/9期 2014/9期 2015/9期
監査売上 64,580 66,292 66,658
非監査売上 19,291 20,253 22,519
売上高合計 83,872 86,546 89,177

売上の伸びは2013/9期から2014/9期が2.6%増、2014/9期から2015/9期が3%増となっている。売上増加率は新日本と比較しても大差ない。
売上高合計89,177百万円は新日本の売上高合計99,175百万円と比較すると89%に相当し、人員数の規模では新日本と大きく差はないにも関わらず売上高ではまだ新日本に10%以上の差をつけられている状況だ。
トーマツの特徴は被監査売上が大きいところにある。売上構成比では2013/6期で監査:被監査の比率が77:23ともともと被監査の割合が大きく、2015/6期で監査:非監査の割合が75:25となっており、実に1/4が非監査による売上となっている。これは直近の事業年度で比較すると新日本の22%、あずさの18%と比較して最も多い。

 

 

 

段階損益推移

  2013/9期 2014/9期 2015/9期
業務収入 83,872 86,546 89,177
営業利益 2,678 2,324 814
経常利益 3,296 2,876 1,954
税前利益 3,438 2,855 2,737
当期純利益 1,858 1,340 1,608
 
  2013/9期 2014/9期 2015/9期
営業利益率 3.2% 2.7% 0.9%
経常利益率 3.9% 3.3% 2.2%
税前利益率 4.1% 3.3% 3.1%
当期純利益率 2.2% 1.5% 1.8%

利益率は新日本よりはマシ。
あずさと比べると、トーマツがいい年もあればあずさの方がいい年もあり、一概にどうこうは言えないが、経常利益まででいえばほぼほぼあずさを上回っている。
一方で、直近三年間では営業利益が下がり続けている点が気になるところだ。
なお2015/6期は経常利益から税前利益で利益が増加しているが、これは子会社清算益792百万円が要因。一体何なのか気になるところだ。

 

 

 

一人あたり人件費

  2013/9期 2014/9期 2015/9期
人件費 65,341 66,410 66,960
一人当たり人件費 12.2 11.7 11.2
会計士等
一人当たり人件費
15.6 15.4 15.3

一人あたり人件費は私の算定上だと一番多いが、直近3年間では下落傾向にあるのが気になるところ。

 

 

 

有限責任監査法人トーマツのイメージ

①優秀な人材が多いのにイメージがイケてない監査法人

トーマツは外部で活躍する人材を多く輩出しているイメージだ。

マザーズの上場企業のCFOでも出身母体としてはトーマツが最も多い(監査法人だけなく銀行等を含めても)。

しかしなんとなくイメージがイケてない。自分の良さをアピールするのが下手。

受験生の間でも「トーマツに行くと成長する」というイメージがある一方で「体育会系」というイメージが持たれて、毎年人気がない。

リクルート活動でも変にまじめで、一番しっかり協定も守っている感じはあるが、「変なことをしなくてもうちの良さをわかってくれる人は絶対いる」とわりと悠長にかまえていてリクルートに負けることが最近多い。

トーマツの特徴は、非監査売上が強い、IPO(株式上場)が強いというイメージがあるが、近年はそれも他法人に迫られている状況。

IPO数は数年トップを独走していたが、2015年は新日本に負けている。こちらの記事がわかりやすい。

 

②地味な事件がちょこちょこ起きてる

新日本のようなどデカいやらかしはないが、じみーな不祥事がちょこちょこ起きている。

東芝事件で新日本の処分がどうなるのか業界が固唾を呑んで見守る中しれっとCEOが不祥事で辞任してたり

監査クライアントの先の不正も、じみーなのがちょこちょこ。

もともとIPOが強い法人であるが、最近IPOしたクライアント先での不正が少し目につく。みんなのウェディングで粉飾が起きてたり、appbankで元役員の横領があったり。

クライアント先が不正をしてたら監査法人が悪いというわけではいが、東芝事件が起きてなかったらもう少し騒がれてたかもしれない。

それもあってかトーマツは受注審査をかなり厳格化しているという噂もある。

 

③グループ全体で見ればNo1のデロイトトーマツグループ

監査法人としては国内2番手だが、監査法人、コンサル、税理士法人、FAS等を含めたグループ全体ではダントツの規模を誇っており、グループ間の連携も強い。

グローバルで見てもデロイトはBIG4の中で最大規模を誇っており、海外でのブランド力も高いようだ。

また、2015年は新日本に負けたとはいえいまだにIPOに強いトーマツというイメージは強い。

トーマツベンチャーサポートというベンチャー支援専門会社をグループ内に持っており、ベンチャーに強いというイメージは特徴的なところだ。

また独立したり外部で活躍する会計士が多く、マザーズのCFO輩出企業としてはNo1の実績を持つ

 

 

 

有限責任あずさ監査法人

人員推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
社員 609 607 604
使用人
(使用人の内、会計士等) 3,565 3,551 3,642
合計人員数

あずさは会計士以外の使用人の情報を開示していないので、全体の人員数は不明であるが会計士の数は2013/6期から2015/6期にかけて2.1%増となっている。
あずさはリクルートで最も人気があるはずであるが、人数があまり増えていない。確かに入る人も多いが辞める人も多いという印象がある。
使用人の総数がわからないので社員+使用人会計士等の数で新日本と比較すると、あずさは4,246人で新日本4,581人の92%の規模に相当する。
社員のうち公認会計士は567人で、使用人会計士等3,642人とあわせると4,209人。会計士等のうち14.3%が社員となり、最も多い水準である(社員の数はトーマツより多い)。これをパートナーになりやすい法人と見るか、もう上が詰まっててパートナーになりにくいと見るか、おそらく後者だろう

 

 

 

売上推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
監査売上 67,757 67,431 68,101
非監査売上 12,324 13,303 15,056
売上高 80,081 80,734 83,157

売上の伸びは2013/6期から2014/6期が0.8%増、2014/6期から2015/6期が3%増となっている。やはり新日本、トーマツと比較して大差ないといった感じだ。
新日本の売上高合計99,175百万円と比較した場合、あずさの売上高は83,157百万円は84%に相当し、トーマツの89%と比較してもさらに売上規模は小さい。
売上構成比では2013/6期で監査:非監査の比率が84:16で、2015/6期で82:18となっており、非監査売上の割合は三大で最も低い。
売上規模では新日本、トーマツに次ぐ三位だが、監査売上ではトーマツに買っている。
監査は売上の伸びが見込めないので非監査が伸びないと売上は伸びないが、監査売上は契約解除にならない限り毎年発生する安定収入でもあるため、どちらがいいというのは一概に言えないだろう。

 

 

 

段階損益推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
業務収入 80,081 80,734 83,157
営業利益 2,072 2,395 1,680
経常利益 2,200 2,084 1,594
税前利益 2,174 1,774 3,834
当期純利益 2,152 695 2,252
  2013/6期 2014/6期 2015/6期
営業利益率 2.6% 3.0% 2.0%
経常利益率 2.7% 2.6% 1.9%
税前利益率 2.7% 2.2% 4.6%
当期純利益率 2.7% 0.9% 2.7%

利益水準は他の法人と比較してわりと安定している印象を受ける。
2015/6期の経常利益から税前利益にかけての利益増加はグローバル関連費用返戻金2,240百万円。内容が不明なのでもう少し説明を書いてほしいところだ。

 

 

 

一人あたり人件費

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
人件費 58,783 57,291 58,116
一人当たり人件費 ? ? ?
会計士等
一人当たり人件費
13.6 13.8 13.8

一人あたり人件費はやはり三大で最も低い。一年目の基本給も三大のなかであずさだけが低いのでそれも納得というところ。またあずさは他の法人と比較してスタッフからシニアスタッフに昇格するタイミングも遅いので、それも一人当たり人件費が安い原因か。
今年もリクルートは一人勝ち感があるが、一方で想定より人をとりすぎてしまったらしく噂では来年は基本給を下げるかもしれないとのこと。

 

 

有限責任あずさ監査法人のイメージ

①就活生の間のイメージは最もイケてる監査法人で就活人気もNo1

基本的になんでも卒なくこなす優等生的な監査法人。

ブランディングもうまく、就活において受験生の人気も高い。

近年だとオリンパスの問題があった2011年を除けば基本的には就活における人気No1の座を維持していると思われる。

リクルートは専門部隊がいて段取りがよく、ビジュアルで優れた人を全面に押し出してイケてる感をバリバリ出してくる。

トーマツが自分をアピールをするのが下手なイケてないイメージがあるのに対し、あずさはイケてる監査法人というブランディングに成功しているイメージだ。

 

②イメージの良さは外面だけ?

しかし一方で近年はリクルートでの悪質な対応が問題となってたり非難される法人でもある。

2015年は他法人のネガティブキャンペーンや協定違反がかなり多かったようだ。

協定で定められた内定通知解禁前に電話をかけて他法人の妨害をしたり、非常勤で取っておきながら想定より人がとれてしまったので非常勤には仕事を与えないなど。

他法人からかなりの批判がって2016年はわりとおとなしくしていたようだが、本質的な部分では品位を保てているのか不安になる。

 

②近年では最も勢いがある監査法人

ずる賢く行動できるということはある意味でビジネス面では優れているといえるだろう。

実際給与は一番安いのにリクルートで一番人気をとれているのはブランディングが成功しているからだろうし、2011年頃監査法人就職難だったころに海外留学プログラムでうまく合格者を囲い込み、2年後人が足りなくなったタイミングでそうした合格者の採用につなげた点など、先が見えている。

近年は最も営業が強いというイメージもあり、今回新日本が東芝問題でクライアントを流出させている状況において、その流出企業を最も獲得しているのもあずさという話を聞く。

その事実については近々わかることになるだろう。

オリンパス以降は大きな問題も起こしていない。

ある意味一番無難な法人といえるのかもしれない。

 

 

 

 

PwCあらた監査法人

※冒頭にも書いた通りあらたは2015/5/14現在、有限責任監査法人ではないため開示されている情報が限定的となっています。

人員推移

  2014/6期 2015/6期 2016/4/1現在
社員 122
使用人 2,374
(使用人の内、会計士等) 1,231
合計人員数 2,219 2,496

直近期末である2015/6期での人員数は2,219人で、新日本の人員数6,284人と比較して35%程度の規模となる。
2015/6期の内訳がわからないため、2016/3時点の比較となりますが、使用人会計士等の数は1,231人で、新日本の使用人会計士等3,941人と比較すると31%程度となる。
2015/6から2015/4までに人員数が277人(12%)も増加している。
新人採用の増加分もあるだろうが、東芝の引継ぎ等で新日本からかなり人を引き抜いているという噂をよく聞く。

 

 

 

売上推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
監査売上
非監査売上
売上高 23,000? 27,605 33,310

2013/6期はアニュアルレビュー資料のグラフしか見れるものがなかったので詳細な数値はわかりませんが、グラフをみるとだいたいこんぐらいという感じ。
売上の伸び率は2013/6期から2014/6期が約20%増ぐらい?、2014/6期から2015/6期も20%増となっており、上位3法人を猛烈な勢いで追いかけている。成長率は四大監査法人の中で一番大きい。
新日本の売上高合計99,175百万円と比較した場合、あらたの売上高33,310百万円は33%に相当し三分の一程度の規模となる。トーマツ、あずさと比較しても半分以下の規模であり、規模では他の四大に大きく劣る。
そのためあらたを除いた新日本、トーマツ、あずさの三つを三大監査法人と呼ぶこともある。

 

 

 

段階損益推移

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
業務収入 23,000? 27,605 33,310
営業利益 2,916 3,935
経常利益 2,880 3,976
税前利益
当期純利益
  2013/6期 2014/6期 2015/6期
営業利益率 10.6% 11.8%
経常利益率 10.4% 11.9%
税前利益率
当期純利益率

圧倒的に利益率が高いことにまず目がいく。
営業利益率は新日本が0%台、トーマツとあずさが2〜3%台であるのに対しあらたは10%超で推移しており、もはや別業種のようだ。
営業費用の内訳が不明なため何が要因かはわからないが会計士一人当たり売上高が最も多いため全体的にコストがかかっていないのかもしれない。

 

 

 

一人あたり人件費

  2013/6期 2014/6期 2015/6期
人件費
一人当たり人件費
会計士等
一人当たり人件費

一人当たり人件費を算出するためのデータが開示されていないのでこれはわからない。
スタッフ・シニアスタッフレベルではあらたはみなし残業制度のため、基本給は高いが残業代が稼げず結果として他の三大より給与水準は下がるイメージがある。
上記で利益率が高いこと加味しても、一人当たり人件費は他法人より小さそうだ。

 

 

 

PwCあらた監査法人のイメージ

①四大と言われるが規模では他の法人より大きく劣る

業績比較を見ればわかる通り、四大監査法人とは言われるものの、その規模は新日本の三分の一程度で他の四大監査法人に大きく劣る。

そのためわりと存在を忘れられがちで、四大監査法人からハブられて新日本、トーマツ、あずさで三大監査法人と呼ばれることも多い。

また他の四大が、国内グループでは監査法人が主導的な役割を担っているのに対し、あらたは監査法人というよりはコンサルがメインである。

それでもBIG4の一つであるPwCのグローバルメンバーファームであることに加え、日本の最大企業トヨタをはじめとしたビッグクライアントを抱えているのでやはり四大監査法人として見るべきだろう。

2016年7月1日に有限責任監査法人へ移行する予定である。

 

②外資系色が強めな実力主義社会

日本の監査法人はそれぞれBIG4と呼ばれる海外の会計事務所と提携している。

新日本はErnst & Young(EY)、トーマツはDeloitte Touche Tohmatsu(Deloitte)、あずさは KPMG、そしてあらたはPricewaterhouseCoopers(PwC)。

各法人はそれぞれ日本の監査法人が合併を繰り返して大きくなり、それぞれが海外の会計事務所と提携を組んでいる。

PwCはもともと中央青山監査法人と提携していたが、中央青山監査法人がカネボウの粉飾決算等の一連の不祥事で事実上の解体に追い込まれたことで、PwCは中央青山が持っていたクライアントの受け皿として中央青山監査法人の一部を独立させる形で新たにあらた査法人を設立した。

そんな経緯もあり四大監査法人の中で唯一の外資系監査法人となっている。

そのため他の法人よりも外資系色が強く、年功序列より実力主義、評価もシビアで人間関係もドライである。

給与制度もみなし残業制度で基本的に残業代が出にくい等シビアな面が多い。利益率が高いのも、そうした要因かもしれない。

他の法人からあらたに転職する人は雰囲気の違いにけっこう驚くらしい。

 

③規模では他の四大に大きく劣るが、最近の成長率はダントツ。攻めすぎて不安な面も…

まだまだ規模では他の四大に劣るが、ここ数年で20%の成長率と、三大に追いつこうと猛烈な追い上げを見せている。

営業もかなり積極的で、今回の新日本からの流出クライアントをけっこう取っているらしい。

おそらくパートナーの評価もシビアで、どのパートナーも契約を取ってくるのに必死なのだろう。

しかしあまりに攻めすぎていてあらた大丈夫か?という声もちらほら聞こえる。

象徴的なのが東芝とシャープの契約をあらたが取ったこと。

これらの企業は明らかに工数もかかり契約受注のリスクも高いだろう。

特に東芝に関しては新日本から契約を変えるにあたり、当然トーマツ、あずさ、あらたや他の法人も契約獲得に動いたものの、リスクの高さ、かかる工数の規模からどの法人も慎重に動いていたところをあらたが持っていた感がある。

それ以外にも新日本からの流出企業の獲得にかなり積極的に動いているが、そもそも人的リソースが足りるのか?という疑問もある。

人手不足で回らなくなって監査の品質が低下したり、売上増加のためにリスクの高い受注をしてかつての中央青山の二の舞になるようなことがなければいいが。

 

 

 

 

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

最後に直近事業年度における各指標を比較してみたいと思います。

下記表は新日本を100とした場合の各法人の規模を示します。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
合計人員数 100 98 88※ 35
公認会計士等の数 100 95 92 31※
売上高 100 89 84 33
営業利益 100 359 740 1420
一人当たり人件費 100 99 ? ?
会計士一人当たり人件費 100 100 91 ?

※2016年3月時点の数字で比較している

 

個人的なイメージとして、各法人を学生にたとえると…

 

新日本は基本優秀だがたまに大きなポカをやらかすガリベン君

トーマツは頑固で女子に持てない体育会系

あずさは先生にも周りにも評判がいいが裏ではいじめっ子

あらたは合理主義で空気の読めない外国からの転校生

 

という感じです。

完全に独断と偏見です。

自分で書いといてなんですが、私の記事に惑わされずしっかりと自分の目で監査法人を見極めて下さい。

なお、四大監査法人徹底比較シリーズ第二弾として「四大監査法人徹底比較②〜口コミから考える監査法人評価〜」も書いているので、こちらも是非ご参照下さい。

おわり。

 


 

人気記事、こちらも是非ご参照下さい!

 

 

 

 

-監査法人・監査法人就活


 comment
  1. ゆう より:

    はじめまして。ブログ拝見させていただきました。質問したいのですが、高卒でも監査法人への就職はできるのでしょうか?またまわりに高卒の方はいらっしゃいますか?

  2. GTR より:

    ゆうさん

    はじめまして。質問ありがとうございます。
    ここ数年は監査法人も人出不足不足な状況が続いており、監査法人の採用においては基本取れるならどんな人でも取る!というスタンスです。
    面接においてよっぽど変な人以外は、学歴や年齢に関わらず採用しています。
    なので高卒でも全く問題ないと思います。
    私の知っている限りだと、法人内に高卒1名、大学中退2名知り合いがいます。
    数は少ないですが、それは単純に高卒で試験に受かる人が少ないからだと思います。

  3. tama より:

    こんにちは。
    会計士試験に受かった場合は大半の人が4大監査法人に行けるとのことですが、
    これはつまり、会計士試験に合格すれば、universumの提唱する魅力的な企業ランキング上位に名を連ねる会社に入社できる、という認識でいいのですか?

    いくら難しい試験である会計士試験に受かったとはいえ、「GoogleやGSと肩を並べるような企業のもとで働く社員になれる」とは思えないのですが、、

    • GTR より:

      tamaさん

      コメントありがとうございます。
      基本的には「universumの提唱する魅力的な企業ランキング上位に名を連ねる会社に入社できる」という認識であってますよ。
      pwc、Deloitte、EY、KPMGグループの日本法人が四大監査法人及びそのグループファームなので。
      ただ、いわゆる企業ランキングではBIG4はコンサルを指すことが多いとは思いますが。

  4. 受験生 より:

    『トーマツの会計士志望職員ら、予備校教材を不正コピー』この新聞記事について、不正ついて、注意深く見なければいけない会計士がこのような事件をおこしてます。
    GTRさんは、この事件についてどう考えてますか?(もし、他のブログですでにコメントしていたら、すみません)

    • GTR より:

      受験生さん
      コメントありがとうございます。
      まあなんというか、しょーもないですね。
      こういう法を遵守すべき側が法を犯すのは警察や弁護士などでも時々あり、それによって組織全体が叩かれることになりますが、大多数はまじめに仕事をしているので一括りにして欲しくはないなと思います。

  5. てすとくん より:

    会計士試験合格しました!
    偏差値等の情報提供してくださりありがとうございました。

    いま監査法人選びで2社で迷っているのですが
    IPO事業部で
    携わりたいIPOクライアントはAに分があり
    クライアントは見劣りするものの、家からの利便性、オフィスの立地や社員の良さはBに分があります。

    GTRさんならどのような点を重視しますか?
    よろしくおねがいします。

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