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世界の企業時価総額ランキングと監査法人

2017/06/10

こんにちは。会計士GTRです。

日本経済新聞の記事で、ここ10年で世界の企業の時価総額ランキングが大きく変動したということが書いてあった。

そこで今回はそれぞれの企業をどこの会計事務所が監査しているかを調べてみた。

10年前と現在のトップ企業のシェアがどう変わっているかで会計事務所の勢力図にも変化が見られるかもしれない。

 

世界企業時価総額ランキングの概要

10年前と現在の世界の企業時価総額ランキングは以下の通り。

出典:日本経済新聞

 

なおトップ1000の企業数を国別に示した図が以下。トップ10から日本企業は消えてしまったが、総数としては思ったよりシェアが大きい。

出典:日本経済新聞

 

ここ10年での変化

これをパット見て思ったことは3つ。

  1. 上位の時価総額規模が2倍近く増加しているということと
  2. ランキングがガラッと入れ替わっている
  3. IT企業の台頭が目立つ

ランキング1位はエクソンモービルからアップルに替わり、1.7倍の規模となっている。2位はGEからアルファベット(googleの持株会社)に替わり、こちらも1.7倍。3位はマイクロソフトで変動なく、唯一上位を維持している企業と言えるが、時価総額は1.8倍となった。貨幣の価値は常に一定ではないのでそれも考慮する必要はあるが、明らかに大企業の時価総額は大きくなっていることがわかる。

見て分かる通り、10年前はエクソンモービルやGE等、いわゆるビジョナリーカンパニー的な、歴史のある大企業の代名詞的な会社が多く、日本のトヨタも10位に入っていた。これらの企業は長いことランキング上位を維持していたところが多いだろう。ところがここ10年でランキングは大きく替わり、比較的歴史の浅いスタートアップ企業が短期間に急成長し世界のトップを独占しつつあるという感じだ。

そして10年前は製造業、資源、金融が中心であったのに対し、現在はIT企業がランキングの過半数を占めている。

 

これから10年で起きる変化

このようにここ10年で世界のトップ企業の顔ぶれは大きく変わった。

では今後10年でこの顔ぶれはどう変わるだろうか?

スタートアップが短期間で急成長し、既存の大企業を一気に抜き去るという状況はこれからもずっと続くだろう。

しかし一方で現在ランキング上位にいるIT企業は常に資金を投資に回してイノベーションを加速させている。

最近ではAI、自動運転、IoT、VR・AR等の将来性のある技術の研究に莫大な資金を投じたり、そうした技術を持つスタートアップをM&Aしたりして、常に成長を置い続けている。

しかもランキング上位の企業は世界中の人々に直接アクセスでき、ビッグデータを大量に蓄積している。

こうした状況を見ると、IT業界の巨人にはもはやイノベーションのジレンマという概念はなく、巨大企業のさらなる巨大化が進むような気がする。

 

世界トップ10の監査をしている会計事務所

2007年(10年前)のランキング

 

企業名

監査人

1位

エクソンモービル

PwC

2位

GE

KPMG

3位

マイクロソフト

Deloitte

4位

シティグループ

KPMG

5位

ペトロチャイナ

???

6位

AT&T

EY

7位

ロイヤル・ダッチ・シェル

PwC

8位

バンク・オブ・アメリカ

PwC

9位

中国工商銀行

???

10位

トヨタ

PwC

中国の2社が特定できなかったが、それを除くとPwCが4社、KPMGが2社、DelloiteとEY1社ずつという構成だった。

当然だがこのレベルの企業を監査できるのはBig4しかない。

PwCが頭一つ抜けているという状況であったようだ。

 

 

2017年のランキング

 

企業名

監査人

1位

アップル

EY

2位

アルファベット

EY

3位

マイクロソフト

Deloitte

4位

アマゾン・ドット・コム

EY

5位

フェイスブック

EY

6位

バークシャー・ハサウェイ

Deloitte

7位

ジョンソン&ジョンソン

PwC

8位

エクソン・モービル

PwC

9位

テンセント・ホールディング

???

10位

アリババ・グループ・ホールディング

PwC

こちらも中国のテンセント・ホールディングスだけ特定できなかった。

内訳を見てみるとあきらかにEYがトップ企業のシェアを増やしていることがわかる。

EYが4社、PwCが3社、Deloitteが2社。そしてなんとKPMGがいない。

EYはランキングの中でもここ10年で急成長したもろIT企業であるアルファベット(google)、アマゾン、フェイスブックといったところを抑えているのがなかなかすごい。

なお10年前も現在もランキングに載り続けているマイクロソフトとエクソン・モービルの監査人に変更はない。

短期間でスタートアップが世界トップクラスの規模に成長する現代においては、監査法人も将来性のある企業を見極めることが重要になるかもしれない。

IPO前は赤字覚悟で安いFeeで監査を引き受ければ、上場後とんでもない額の監査報酬を安定収入として得ることができる。

 

まとめ

時価総額のトップ企業の顔ぶれは大きく変わったが、監査人がBig4であることに変わりはなかった。

一方でその内訳としては、EYがトップ企業に対する監査を大きく増やしているという状況がわかった。

10年後のランキングはそれぞれどんなランキングになっているのだろうか。

 


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