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公認会計士がブログで会計について考える

転職活動をしてわかった監査法人にいるうちにやっておくべきこと

2017/05/27

department-store-1778722_1920こんにちは。公認会計士GTRです。

実は最近転職活動をしていたので、転職活動の中で思ったことを記事にまとめてみる。

なお、私のキャリアが今後どうなるかはまた別の機会に書こうと思っている。

 

きちんと自分の未来について考える

公認会計士になって監査法人に入った人って、具体的にやりたいことがハッキリしていて、死ぬほど会計士になりたかった人って意外と少ないのではないだろうか。

自分の周りを見ると「とりあえず会計士」「とりあえず監査法人」という人が多い。公認会計士にはなったがずっと監査法人にいるつもりはない、しかし具体的にこれというものがないのでひとまず監査法人に入ったというような具合で。

会計士という資格自体は何もない自分に大きな武器を与えてくれたので、この道を選んだことに個人的には全く後悔はない。しかし、せっかく武器があるのだからそれを有効に活用しないのは非常にもったいないと思う。

監査法人にいるならいるで良いし、転職するならするで良いと思うが、早めに自分の将来の計画を立てたほうがいいと思う。

監査法人では、仕事が忙しく、給料が良くて、それなりに居心地がよかったりで、思考停止して働きがちだと思う。ふと「そろそろ転職しようかな」と思った時に「もっと前からこれをしとけば良かった」と思うことは少なくなさそうだ。逆に、監査法人でパートナーを目指す気になったが、もともと監査法人は辞めるつもりであまり自分の専門性を高めてこなかったことを後から後悔するということもあるだろう。

いずれにしろ、後で後悔しないように自分の将来については早めにきちんと考えたいところだ。

 

 

インチャージ(主査・主任)業務

インチャージは出来ることならやっておいた方がいい。

もちろん、インチャージをやるような年次を待つことなく転職してしまう人は別だ。転職においては若さが武器になることも多いので、長くいればいいという訳ではない。また、最初からマネージャーぐらいまで監査法人にいるつもりなら、意識せずとも自然とやることになるだろう。

しかし、監査法人で数年勤務しスタッフ〜シニアスタッフぐらいで転職する可能性があるのであれば、なるべく早く任せてもらえるように意識して行動することは大事だろう。特に、転職が増える終了考査前後という時期は、インチャージを経験できるかどうか微妙な時期なので、早いうちから意識して行動するのは大事だと思う。

実際、会計士専門の転職エージェントに会うと必ずと言っていいほど「インチャージ経験はありますか?」と聞かれる。インチャージ経験が必須というところは多くないかもしれないが、インチャージを経験していれば、チームのマネジメントができると判断してもらえて有利に働くようだ。

なお、正式なインチャージではなくても、実質的にチームのリーダーポジションであればチームマネジメントはしていると思うので、インチャージということにしてしまってもほぼバレない(実際インチャージはほとんど現場に来ず、年次の高いスタッフがチームをマネジメントしていることも少なくないと思うので、実質的はインチャージと言える場合もある。)。もちろん全くマネジメント経験が無いのに嘘をつくと面接でボロが出るとは思うが。

早くインチャージを経験するコツは、1つぐらいは小さい監査チームに入ることと、上司に信頼されること。小さいチームだと上司の転職や昇格のタイミングで、自分がしっかり信頼を勝ち得ていれば若くても任せてもらえる可能性が高い。

 

 

IPO支援業務

これは上場前のベンチャー企業へ転職を目指す人限定の話だが、ベンチャー企業でCFOになりたいという方や、ストックオプションで一発当てたいという場合は、やはりIPO支援業務を経験しておいた方がいい。

IPO支援の経験があるというのは、上場を目指すベンチャーへの転職という意味ではプラスに働く。特に、実際に上場を達成まで関与した実績があると有利だそうだ(某キャリアコンサルタント談)。

IPO支援業務も単なるスタッフとしてだと普通の監査と同じような経験しかできないので、なるべく積極的に仕事を取りに行き、証券会社とのやりとり等にまで同席できるとよりプラスになると思う。

 

 

監査以外の経験

転職する際は職務経歴書というものを書くことになる。職務経歴書は今まで自分がや的た業務を5〜6個書く欄あるのだが、監査しかやっていないと全部似たようなことしか書けなくなる。

だからダメというわけでは無いが、監査経験しか無いのはやはり何となく見栄えは悪い。職務経歴書を書くことになって初めて「あ、俺マジで監査しかやったことないな」と感じることになると思う。もしチャンスがあるのであれば、非監査業務にも関与させてもらった方がいい。大したことしてなくても職務経歴書の見た目がそれっぽくなり「監査しかできない会計士」という印象が薄れる。

 

 

英語

転職にあたり「やっぱり英語って大事だな」と感じる会計士は少なくないのではないかと思う。もちろん転職先によっては必ずしも英語が求められることはない。というか必須ではない会社の方がまだまだ多いだろう。

しかし、戦略コンサルや、外資など特定の業種ではTOEICで一定の点数を取ることが必須の条件となることがある。英語に関しては一朝一夕で出来るものではないので、転職を考えている人は計画的に学習を行う必要がある。わりとみんな会計士試験後や入社直後は意識的に勉強しているが、仕事が忙しくなるにつれてやらなくなってしまうものだ(自分で書いていて耳が痛い)。

英語は会計士にとって必須のスキルではないが、チャンスを大きく広げるスキルであるとは思う。英語人材を求めていない企業であっても、会計士でかつ英語もできるとそれだけで「優秀」と判断されるし、「どうせ監査しかできない」と思われがちな会計士にとって、監査以外にも高い能力があることを示せると+αの価値はかなり大きいようだ。

監査法人に残る場合でも英語は様々な面で有利になるので、とりあえず目指すものがないなら英語をやっておくというのはわりと無難だと思う。

また、当然TOEIC等具体的な点数が求められるものは、受験してから結果が出るまでタイムラグあるので、転職する予定の方は応募前に点数として結果を示せるように計画を立てる必要がある。

 

 

若いうちに転職

転職においては若さは正義である。

もちろん年齢が上がるに連れて経験という価値は向上するのだが、年齢が上がれば上がるほど求められる水準は高くなり、より具体的に会社に貢献することができるかという点をシビアに見られる。

ある程度の年齢になるまで経験を積んでから転職しようと考えている人は、これから自分がする経験が本当に外で評価されるのかということを良く考えた方がいい。その経験は思ったより外で評価されないかもしれない。

これは自分の持つイメージだが、入社してから一定の年数は、経験値による価値の向上が年齢を重ねることによる価値の低下を上回り、転職の市場価値は向上する気がする。しかし、そこから先は経験値による価値の向上よりも年齢を重ねることによる価値の低下が大きく、転職における市場価値は低下する気がする。

もちろん意識的にに価値のある経験をつけることで、経験値による価値の向上が年齢による価値の低下を上回ることも可能だとは思うが、なんとなく監査だけやっていると一定の年齢から価値は下がるという印象だ。

特に、コンサル系は経験者採用でない場合は若くないと受けつけてすらもらえないこともあるので、ご用心。

 

 

監査法人でしっかりと評価を得る

最近日々痛感しているのは、意外と監査法人の人脈はすごいということ。

上場企業、大企業、IPOを目指す企業の大部分は四大監査法人(特に三大監査法人)のクライアントであることを考えると、どこかの企業と自分の所属する法人に何らかのコネクションがある可能性はかなり高い。

監査クライアント企業に引き抜かれるとか、仲のいいパートナーから「転職を考えているなら俺のクライアントの話を聞いてみないか?」という話が来ることは時々聞く話だ。

また、直接転職には関係ないが、転職先の企業で銀行や証券会社とのコネクションを探していたら元上司に紹介してもらえたとか、監査法人の同僚の紹介で他の企業と取引が生まれたという話も聞く。転職先で監査法人の人脈を自分の武器(とまで言えるかわからないが)として使える可能性もある。

また、うちの監査法人に限って言えば出戻りにかなり寛容だ。転職に失敗した場合に元上司から誘われて監査法人に戻るという可能性もある。

いずれにしろ、こうした監査法人の人脈を生かすには、自分が監査法人でしっかりとした仕事をして、きちんと評価されることが大事だと思う。

「俺はどうせやめるから適当に働けばいいや」と考えている人がいるとしたら、非常にもったいないことをしているかもしれない。

 

 

情報をしっかりキャッチアップしチャンスに備える

ベンチャー企業(もしかするとスタートアップと言った方がいいかもしれない)に転職してCFO等の経営幹部を目指そうと考える会計士も一定数いるだろう。ベンチャー企業への転職は、タイミングが非常に重要だと個人的には思っている。

やりがいや仕事自体の面白さと言ったことは一旦置いておいて、ベンチャー企業への転職の魅力を打算的に考えると、自分が経営幹部になれる可能性が高いことと、当たるとストックオプション等によるリターンが大きいことがまず思い浮かぶと思う。

しかし、世間で話題になったり大手転職エージェントへ求人を出すようなフェーズになると、従業員もそれなりにいて、経営幹部のポストも埋まっていて、具体的にIPOが見えているような企業が多い。つまり旨味が少ない。一方創業に近いほどそうした旨味は大きいのだが、当然に倒産するリスクも高いし、給料も安いし、会計士としての価値も発揮しづらい。なので、ある程度事業が軌道に乗りそうだが、まだ本格的な組織体制が出来上がっていないぐらいの規模が最も旨味とリスクのバランスが取れているように思う。

また、ベンチャーの経営環境は劇的に変化する。社員が数人しかいなかった企業が半年後には数十人の組織になっていることもあるし、半年前に入ればCFOの席が空いていたのに、というようなこともある。「あのタイミングでジョインしておけば」と思うことも少なくないだろう。

では、どうやって良いタイミングでベンチャーに入るかというと、ベンチャー界隈の人脈を広げておくか、常にアンテナを張って情報収集するしかない。

ベンチャー界隈の人脈という意味では、やはり監査法人のIPO部門のマネージャークラスになるとむちゃくちゃ顔が広かったりするので、そこに関しては「監査法人でしっかりと評価を得る」に話が戻る。

情報収集という意味で言えば、wantedlyに登録しておいて色々な企業をチェックしてみるとか、有名なVC(ベンチャーキャピタリスト)のSNSをフォローして情報を集めるとか、地道に動くことが大事だと思う。日々情報収集をしておけば、ベストなタイミングで入りたいと思えるベンチャーが見つかるのではないだろうか。

 

 

まとめ

以上、自分が転職活動をする中で感じたことをまとめてみた。

冒頭にも書いたが、監査法人に入る前は「将来はやめる」と思っていても、いざ入ってみると思考停止して働きがちだと思う。後で後悔しないように、自分のキャリアについては早めにしっかりとした計画を立てたほうがいいだろう。時間は決して取り戻せない。

あとは個人的に重要だと思うのは目先の収入に左右されないこと。監査法人の給料が高いので、年収ダウンを恐れがちだが、長い目で見て自分にとって価値があることを重視すべきだと個人的には思っている。これも、お金は後からでも取り返せるが時間はそうはいかないので、後悔しないようにしたい。

もちろん監査法人でのキャリアを否定しているわけではない。きちんと考えた上でやりたいことが監査法人にあるのであれば、それは天性の公認会計士ということだ。監査法人でしかできないことも非常に多いと多いと思うので「自分のやりたいことは本当に監査法人じゃできないのか」ということも考えてみるのは大事だと思う。

と、自分も会計士としてはまだまだ若手なので偉そうなことは言えないが、多少なりとも後輩会計士の参考になればと思い記事に残して見た。

次回は、自分の転職活動において具体的に使ったサービス等について書く。

 

-公認会計士キャリア論


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