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公認会計士という資格と試験について徹底解説する

2017/05/07

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公認会計士GTRです

今回のテーマは公認会計士試験について。

公認会計士に興味があるけどまだよくわかっていない人が、これを読めば公認会計士という資格と、公認会計士試験について全てがわかるという内容を目指す。

従って既に公認会計士を目指すことを決めた人や、具体的な予備校選びをしている人、勉強を開始した人にとっては知っている情報がほとんどだと思う。そういう方には以下の記事をオススメする。

  • 公認会計士を受験するかそれ以外の選択をするか迷っている方はこちら
  • これから予備校を選ぼうという人はこちら
  • 予備校を決めて勉強を始めようという人はこちら

 

なお、この記事は公認会計士とその資格、試験制度等について情報を網羅した結果、22000字という膨大な内容になっている、詳細はいいから全体像だけ知りたいよって方は「公認会計士という資格と試験についてざっくり解説する!」をご覧頂きたい。この記事で書いていることを重要なとこだけ残した要約版となっている。

※2016年試験の結果を反映し最新の内容に更新(2017/3/19)

 

第1章 公認会計士とは

資格の概要

公認会計士とは一言で言えば「会計のスペシャリスト」だ。法律系資格の最高峰が弁護士(司法試験)であるように、会計系資格の最高峰がこの公認会計士である。

いわゆる三大国家資格の一つで、難易度は相当高い。

詳しくは後で解説するが、公認会計士の独占業務(=つまり公認会計士資格がないとできない仕事)は「監査」という仕事だ。しかし、「監査」以外にも会計の専門家として活躍する場は非常に多い。全ての企業経営においては会計が必要不可欠であるから、会計のプロフェッショナルたる公認会計士の活躍の幅は「監査」以外にも多岐にわたる。

 

 

公認会計士になるには

公認会計士になるためには3つのステップがある。①公認会計士試験に合格し、②実務補習という教育を受け、③2年以上の実務経験を得ることで正式に公認会計士として登録できるようになる。

このうち最も重要なのが公認会計士試験で、公認会計士試験に合格してしまえばほとんど公認会計士になったようなものである。それ以外の要件はおまけみたいなものなので、試験に合格するまではあまり気にしなくても良い。

実際、公認会計士として正式に登録しなくても、公認会計士試験さえ合格してしまえば監査法人で働けるし、監査法人以外に就職する場合でも「公認会計士試験合格」さえしていれば評価される。

 

公認会計士試験に関する詳細は次の章で詳しく説明する。これから公認会計士を目指す人は、ひとまず公認会計士試験に合格することだけ考えてもらえばいいと思うが、一応他二つの要件についても説明しておく。

実務補習とは、公認会計士試験に合格した人が追加的に行う勉強である。試験合格後、実務補習所という研修施設のような場所に3年程度通い、授業を受けて単位を取り、課題論文や試験を受け、最終的な試験(これを修了考査という)に合格することで要件が満たされる。修了考査は公認会計士試験と比べれば全然簡単で合格率も70%を超えるため、試験に受かるまではあまり気にしなくていい。また実務補習所の授業は上半期に週に数回、仕事が終わった後18時〜21時の授業に通うことになる。WEBの授業も多く、実際に教室に通う回数はそこまで多くない。

実務経験は、公認会計士試験に合格した後ほとんどの人が就職する監査法人(詳細は後述する)や、税理士法人、事業会社の経理等で2年間勤務することが求められる。基本的に試験に合格してしまえば監査法人等ですぐ働くことができるので「試験に合格したが実務経験を満たせない」というようなことは起きないため、こちらもあまり気にする必要はない。

 

公認会計士の仕事内容-監査業務

公認会計士は会計の専門家として活躍の舞台は多岐にわたるが、公認会計士の代名詞といえるのが「監査」という仕事である。この「監査」という仕事は公認会計士の独占業務であり、公認会計士しかできない。

手術が医師にしか許されないように、法廷に立てるのが弁護士等の法曹だけなように、監査という仕事も公認会計士のみに許された仕事なのである。

 

監査という仕事は、簡単にいうと企業の成績表に第三者の立場からお墨付きを与える仕事である。

全ての企業は、自社の経済活動の結果を数値として記録し、基本的に毎年その数値を集計し成績表のようなものを作成する必要がある。これが財務諸表といわれるもので、貸借対照表とか損益計算書といった名前を聞いたことがある人は多いだろう。

企業運営にはお金がいるから、銀行からお金を借りたり、投資家から出資してもらったりしてお金を集めて、そのお金で会社を運営することになる。お金を提供する側からすると「この会社は本当につぶれないかな?」とか「この会社はに出資するとどれぐらいのリターンがあるかな?」といったことが気になるので、企業の成績表である財務諸表を見てその判断をすることになる。

しかし、この成績表は企業が自ら作るので、嘘の情報が書かれているかもしれない。

そこで公認会計士がその会社の会計をチェックしてお墨付きを与えることで、銀行や投資家は安心してお金を提供できるし、企業は会社運営のためのお金を調達できるし、みんなハッピーだよね。という仕事が「監査」である。

 

資本主義で回る現代社会において、監査という仕事はなくてはならないものであり、公認会計士は「資本市場の番人」と言われることもある。

監査は上場企業や一定以上の規模の会社等が受けることを義務付けられており、なくなることが無い仕事である。時々将来職を失う仕事として会計士が挙げられているのを見るが、「監査」という仕事においてはまだまだAI化は難しい領域であり、会計士の仕事が無くなることはまだまだ無さそうである。

なお、監査を受ける企業が大企業である以上、独立した公認会計士が個人で監査を行うことは困難である。そこで公認会計士が集まって監査を専門的に行う会社を作っている。それが監査法人である。

監査法人について詳しくは第3章で説明する。

 

 

公認会計士の仕事内容-監査以外の業務

公認会計士の独占業務は監査であり、監査は公認会計士にしか出来ない仕事であるが、公認会計士が監査しか出来ないわけではない。

冒頭にも書いたが、資本主義社会である現代において、全ての企業はその経済活動の成果を会計に表すことになる。公認会計士は会計系資格の最高峰であり、会計の専門家として活躍する場は多岐にわたると言える。

ここでは監査以外で会計士が活躍する主なフィールドを紹介する。

 

①企業の経理部・財務部

企業には必ず経理が存在する。「経理部」という組織がなく、社長が帳簿をつけているような会社もあるが、経理という仕事自体は必ず行わなくてはならない。ある程度の規模になれば経理を専門とする部「経理部」や、会社の資金を管轄する「財務部」と言った部署が設けられている。公認会計士や公認会計士試験合格者であれば、経理部や財務部でエースとして活躍できるだろう。

簿記三級や二級程度であれば数ヶ月勉強すれば取れるかもしれないが、本当の意味で会計を体系的に理解するには膨大な量の学習が必要であり、そうした人材は限られる。

そのため経理部は社内で新卒を鍛え上げるというよりは、経験のある人を中途で採用することが多く、転職市場では常に求人がある。特に公認会計士であれば、会計知識が保証されているので、それなりのポジション、場合によっては経理部長クラスで招かれるようなこともある。

監査法人で一定期間経験をして、一般企業の経理部等に転職する人は多い。

 

②企業の経営企画部

若手会計士の転職先として人気なのが一般企業の経営企画部。経営企画部と言ってもやることは会社によってけっこう差があるが、やはり人気なのは企業の経営や戦略に関わる仕事ができるところ。また、会社の予算策定やM&A等も経営企画部が担当することが多い。経営企画部ではある程度会計がわかることが求められるため、公認会計士や試験合格者を対象とした経営企画部の求人も良く目にする。

経理部ほど会計知識を直接的に使うわけではないが、会計知識をもとに企業の経営に深く関わることができる仕事である。

 

③税理士法人

詳しくは後述するが、公認会計士登録ができるようになると、税理士として働くこともできる。そのため、税理士として税理士法人で働く会計士もかなりいる。会計士として独立開業すると仕事の中心は税理士業務が中心となることが多い(「監査」は大企業を相手とするため、個人でやるには限界がある)ため、独立開業を目指して税理士法人で経験を積む会計士も多い。

 

④コンサルティングファーム

コンサルティングファームと言ってもその種類は色々あるが、コンサルを行う上では数字に強いことが求められるし、会計に精通していることは大きな武器になる。特に財務系、再生系、総合系のコンサルティングファーム等では公認会計士や公認会計士試験合格者を対象とした求人が数多くある。

もともと会計士とコンサルは密接な関係があり、PwCやDeloitte等の会計事務所BIG4系列のコンサルティングファームだけでなく、アクセンチュア、アビーム等会計会計事務所から独立する形で設立されたコンサルティングファームも多い。

コンサルは激務である一方、給与水準が高く、厳しい環境でビジネスマンとして成長できたり、コンサル出身者はその後の転職でも評価されることが多いことから、公認会計士にとっても人気の転職先である。

 

⑤独立開業

士業である以上誰もが一度は夢見るのは独立開業。公認会計士も独立して会計事務所を開業する人は一定数いる。監査法人を退職して独立開業した場合、従来監査クライアントであった企業から顧問契約をお願いされたり、監査法人経由で仕事が回ってくることも多い。

独立開業した場合は、個人で監査をすることは少なく、コンサル業務や税理士業務が中心となることが多い。

独立開業すると全て自分でやらなければならず、収入の保証も無いがうまくいけば年収数千万円という人もいる。全ては自分の実力次第。

 

⑥取締役・監査役

公認会計士出身の取締役・監査役というのはかなり多い。以前こちらの記事で上場企業の役員(取締役・監査役)の中にどれぐらい公認会計士がいるのかを調査したしたところ、実に上場企業の46%は公認会計士を役員として起用していることがわかった。

会計士試験に合格していきなり役員になるというのは難しいと思うが、監査法人等で経験を積めば将来的に企業の役員として招聘されることもあるだろう。

特に会社法改正により、社外取締役の需要は高まる一方、企業のガバナンスを担える十分な人材が不足しているという状況にあるため、これからも公認会計士は企業の役員としての需要があると言えるだろう。

 

ここにあげたのは公認会計士が活躍するフィールドの一例であり、他にも公認会計士の活躍の舞台はたくさんある。

 

公認会計士の年収

公認会計士の平均年収は正確なデータを取るのがなかなか難しい。厚生労働省が出している調査によると2015年は公認会計士・税理士の平均年収は790万円となっているが、公認会計士と税理士では年収がけっこう違いそうなので、この数字は公認会計士の平均年収と言えるのか微妙なところである。大手監査法人であれば入社4年目〜5年目ぐらいで800万円程度はもらえるため、平均で790万円というのは公認会計士の平均年収にしては低すぎる感がある。

公認会計士は大部分が大手監査法人に所属することになるが、大手監査法人のような従業員1000人以上の事務所に所属する公認会計士・税理士の平均年収は2015年で913万円であった。こちらの方が公認会計士の平均年収のイメージとしては正しいかもしれない。

なお、大手監査法人の給与は職位によって大きく変動し、入社1年目〜4年目ぐらいまではスタッフという職位で600万円前後、入社4年目ぐらい(法人によっても異なる)で順調に昇格できればシニアスタッフという職位になり800万円前後となる(残業代・手当・賞与を含む額面)。シニアスタッフまでは残業代の額が大きいので、人による差はけっこうある。

その後は実力により昇格時期はまちまちだが、シニアスタッフ昇格から数年でマネージャーという職位になり年収1000万円程度、マネージャー昇格から数年でシニアスタッフという職位になり年収1200万円程度、最終的にはパートナーという職位になり年収1500万円超(パートナーは人によってピンキリ。下は1500万円ぐらいから上は数千万)となる。順調に昇格していけば入社から20年弱でパートナーになれるが、最近は昔より昇格のタイミングが遅くなっている感がある。

なお、こちらに書いたのはあくまで一例であり、上の職位になるほど監査法人ごとの差も大きくなるので参考程度と思って欲しい。監査法人の給与や退職金等の情報の詳細は以下の記事にまとめている。

 

監査法人以外で働く場合、どんな職に就くかで年収は大きく変わってくる。

一般企業の経理であれば、部長クラスでない限りは通常監査法人よりは年収は下がるだろう。税理士法人に行く場合もBIG4と言われる大手以外では監査法人より年収が下がることがほとんどと聞く。コンサルティングファームでは監査法人よりも年収が上がることもあるが、実力により賞与が大きく変動し、成果を出せない者は年収が下がることもあるようだ。そして独立開業すれば1円も稼げない可能性もあれば億万長者になる可能性もある。

このように、公認会計士といっても働き方は様々であるため、人によって年収の差は大きい。しかし、大手監査法人ではかなり高い年収が保証されるし、転職市場においても公認会計士の求人はかなり良い条件なことが多い。

 

 

公認会計士と他の資格

公認会計士はよく税理士と間違われたり、米国公認会計士との違いをわかっていない人も多い。

ここでは公認会計士と関連する資格との関係について説明する。

 

①公認会計士と税理士

公認会計士がよく混同されるのが税理士だ。

公認会計士は会計と監査のプロフェッショナルであり、監査が独占業務である。監査業務の内容は既に説明した通りだが、監査を受けることを義務付けられるのは上場企業や大企業なので、必然的に大企業を相手とした仕事が中心となる。

税理士は税務代理、税務書類作成、税務相談を独占業務とする税務のプロフェッショナルである。税理士はもちろん大企業も対象とするが、大手事務所を除くと税理士の多くは中小企業や個人を顧客として税務に関する業務を行うことが多い。

公認会計士が行う監査は、企業を第三者の立場から監視する役割であるのに対し、税理士は企業や個人からの税金に関する相談にのったり、企業の代わりに税金に関する事務を引き受けるのが仕事である。

 

そのため、実は仕事の内容は全然違うのだが、世の中には公認会計士=税理士と思っている人が少なくない。これには理由がある。

実は公認会計士は登録手続きさえすれば、税理士試験を受けなくても税理士として仕事ができる。これは、自動車普通免許を持っていれば誰でも原付免許が取れるのと似ている。

そのため、独立開業している公認会計士は税理士登録して税務に関する仕事をしていることも多く、公認会計士=税理士という誤解を招いているのである。

なお、公認会計士は税理士になれるが、税理士は公認会計士になることはできない。

 

試験の難易度については一概にどちらが難しいというのは言えない。

公認会計士は一次試験と二次試験があり、基本的に全科目同時合格が必要になる短期決戦であるのに対し、税理士試験は1科目ずつ合格を積み重ねればいい科目合格制度を採用しており、長期戦となる。そのため、公認会計士試験は社会人等まとまった勉強時間を確保できない人にとって不利な一方、1年半程度集中して勉強すれば一発合格する人もそれなりにいる。一方税理士試験は社会人でも働きながら何年かかけて取得する人がいる一方、全科目(全部で5科目)一発合格はほとんど存在しない。

 

②公認会計士と米国公認会計士

日本においては「公認会計士」と言った場合、当然日本の制度における公認会計士を指す。

監査という仕事は世界中にあり、当然日本以外の各国にも公認会計士が存在する。但し、会計のルールは各国によって異なり(ある程度世界共通ルールはあるが)、公認会計士とは国家資格なので、公認会計士として働く上ではその国の公認会計士資格を取る必要がある。

日本でも人気がある海外の会計士資格として、米国公認会計士という資格がある。これは文字通りアメリカにおける公認会計士の資格を指す。米国公認会計士取得には以下のような特徴がある。

  • 米国で公認会計士として仕事ができるため、将来海外で会計士として働きたい場合に有効
  • 日本の公認会計士が付加価値を付けるために取得することもある。
  • 日本の企業もグローバルに展開している企業ではアメリカの会計基準を採用しているところもあり、日本でも需要はある。そのため日本の大手監査法人でも米国公認会計士を採用している。(日本の公認会計士より簡単に取得できるのに、監査法人に入れば日本の公認会計士と同様の給与水準で働ける)
  • 日本の公認会計士試験が3000時間〜5000時間程度の勉強が必要と言われるのに対し、米国公認会計士は英語がある程度できる人なら1000時間、英語が全くできない人でも1500時間で合格すると言われており、相対的に日本の公認会計士試験より難易度は低い。
  • 日本の公認会計士は一次試験、二次試験の順番で受け、基本的に全科目同時合格する必要がある(詳細は次の章で解説)のに対し、米国公認会計士は試験が年8回あり、各科目を一つずつ取得すればいい科目合格制度であるので、合格しやすい。
  • 日本の公認会計士は国が行う単一の試験であるのに対し、米国公認会計士は州ごとに行う。試験内容は同じだが受験資格が異なり、州によっては日本国内で受験することが可能。

 

なお、たまにCPAを米国公認会計士だと思っている人がいるが、CPAは単に公認会計士を英語にしたCertified Public Accountantsの略であり、日本でCPAと言えば日本の公認会計士を指すだろうし、アメリカでCPAと言えば米国公認会計士を指すだろう。日本においては日本の会計士をCPA、米国公認会計士はUSCPAと言って区別する。

 

 

 

 

第2章 公認会計士試験について

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第1章では公認会計士という資格について解説したので、次に公認会計士試験の詳細について解説する。

 

公認会計士試験 受験資格

まず、意外と勘違いしている人が多い受験資格について。

結論から言うと公認会計士試験には必要になる受験資格は一切ない

大学卒業しないといけないと思っている人や、簿記一級を持っていないといけないと思っている人がたまにいるが、そうおった受験資格は一切ない。受験料を払えば小学生だって受験が可能だ。

過去における最年少合格は16歳の高校生であり、他にも高校生合格者は一定数いる。

いわゆる超難関資格は受験資格があるものが多い。司法試験を受けるには法科大学院を卒業する必要があるし、医者になるためには医学部を卒業する必要があるし、公務員の国家一種は年齢要件がある。それに対し、公認会計士試験は受験資格が一切ないので、相対的に経済的負担も少なく、誰でも自分のキャリアを一発逆転させることができる資格と言えるだろう。

なお、時々「自分は文系で計算苦手なんですが大丈夫ですか?」とか「自分は理系で会計とか全くわからないのですが大丈夫ですか?」といった質問を頂くことがあるが、基本的には全く気にしなくて良い。

試験では計算問題は電卓を使用でき、複雑な計算はほとんどないため、計算が苦手であってもそれほど問題にならない。また、多少大学で会計や法律を勉強したぐらいでは公認会計士試験では全然通用しないため、結局ほとんどの人が0から勉強し直すことになる。そのため、勉強を始める時点で多少の会計知識があったとしてもほとんど差にならない。

 

公認会計士試験 難易度・必要な勉強時間

三大国家資格と言われるだけあり、難易度は相当高い。

一般的には合格までに必要な勉強時間は最低3000時間〜5000時間などと言われる。

合格者の受験回数は2年目での合格が最も多いと言われ、ある程度優秀な人であれば1年での一発合格者もけっこういる。公認会計士全科目同時合格を原則とする(期限が限られた科目合格制度もあるが)短期決戦であるため、数年間勉強だけに集中する人が多いためである。一方で何年も受験している「ベテラン」と言われる受験生もたくさんおり、個人的には「努力すれば誰でも受かる」とはとても言えない試験だと感じている。

合格率については後で詳しく解説するが、2015年で最終合格率10.3%。合格者は下記表の通り有名私大中心であり基本的に受験生母集団の学歴もそれなりに高い。

 

  合格者数 構成比
慶應義塾 123 11.7%
早稲田 91 8.6%
中央 64 6.1%
明治 56 5.3%
同志社 33 3.1%
関西 29 2.8%
関西学院 28 2.7%
神戸 28 2.7%
東京 23 2.2%
専修 22 2.1%

公認会計士三田会調べ

 

ただし合格者全員が高学歴というわけではなく、「普通の人でも死ぬ気で努力すれば合格が現実的な試験」と言えると考えている。

 

 

公認会計士試験 独学の可否と主な予備校

資格試験を目指す上で大きな負担となるものの一つが金銭的な負担であり、独学で勉強するか予備校に通うかは最初に考えることの一つだろう。

しかし、公認会計士試験においては独学という選択肢はないと思っていいだろう。

詳しくは公認会計士試験に独学で受かることは可能かという記事に書いたのでそちらを見て頂きたいが、試験の難易度が非常に高く、必要となる勉強量も膨大で、独学受験が一般的でないため市販テキストが充実していないことが主な理由だ。

独学で合格する人も存在しないわけではないが、もはや都市伝説レベルに発見するのが難しい。

「自分はこれまで塾とか予備校に通ったことがなくて独学でも東大に普通に受かっちゃう」という天才や、「受かるかどうかより自分への挑戦として独学で受けることに意味がある」という変態以外は絶対に予備校に通うことをオススメする。

予備校にかかる費用は70万円前後で、費用対効果で考えれば決して高くはない。独学で数年かけるなら、予備校に70万円使って短期で受かった方が合理的である。

 

 

なお、主な予備校としては主に以下の5つがある。

予備校 授業料 特徴 合格者数(感覚値)
資格の学校TAC 70万円前後 公認会計士試験予備校の2大メジャーの一つ。母集団が多く校舎も多いためもっとも無難。毎年合格者の3〜4割はTAC。
講師は全員公認会計士等合格者(一部弁護士等もいる)。
すごく多い。公認会計士に声かければ大体TACか大原出身。
資格の大原 70万円前後 公認会計士試験予備校の2大メジャーの一つ。母集団が多く校舎も多いためもっとも無難。毎年合格者の3〜4割は大原。
講師は必ずしも合格者ではないが、講師常駐でいつでも質問可能。
すごく多い。公認会計士に声かければ大体TACか大原出身。
東京CPA学院 80万円 日吉と早稲田に校舎があり慶應生と早稲田生をターゲットにしている。
受講生の数は多くないが、受講生のスペックが高いこともあり合格率の高さを特徴としている。
わりといる。慶應卒の公認会計士に声かければほぼCPA。
LEC東京リーガルマインド 60万円前後 2大メジャーよりも受講料が安い。短答コースと論文コースを分けて受けれるため、さらに安く抑えられる傾向にある。
教材はボリュームがある。
たまーに見る。1年目を2大メジャー、2年目は安くLECという人が多い。
クレアール 50万円前後 校舎は水道橋のみでほとんど通信。とにかく安い。
教材のボリュームを減らし重要論点に集中するスタイル。
ほとんど見ない。

 

予備校については公認会計士試験の専門学校・予備校比較という記事により詳しく書いているので、これから予備校を選ぼうという人は是非参考にしてほしい。

 

 

公認会計士試験 受験者数と合格率の推移

試験の難易度について簡単に説明したが、公認会計士試験はこの10年間で難易度の変動が異常に大きい試験であるため注意してもらいたい。

まずはここ10年間の受験者、合格者、合格率の推移を示した下記の表を見ていただきたい。以下は全て旧二次試験の受験者・合格者を除外した数値である。

受験者数 合格者数 合格率
2006 16,311 1,372 8.5%
2007 18,220 2,695 14.8%
2008 19,736 3,024 15.3%
2009 20,443 1,916 9.4%
2010 25,147 1,923 7.6%
2011 22,773 1,447 6.4%
2012 17,609 1,301 7.4%
2013 13,016 1,149 8.8%
2014 10,712 1,076 10.0%
2015 10,050 1,030 10.2%
2016 10,256 1,108 10.8%

 

まず最初に一般的に公表されている数値と旧二次試験の受験者・合格者を除外した数値の違いについて説明する。ちょっと長くなるのでめんどくさい人は、次の段落を無視して「旧二次試験を除外したのが正しい数値」と思っておいて頂けばいいだろう。現行試験を受けるものにとって意味があるのはこの純粋合格率だ。

そうは言ったものの、一応説明する。公認会計士試験は2006年から制度が大きく変わったのだが、旧二次試験(今の論文式試験)では一次試験、二次試験、三次試験というものがあった(このうち二次試験が概ね現在の公認会計士試験の内容に相当する)。2006年以降旧試験が廃止され、現行の試験制度に変わった。これにより、2006年までに旧二次試験に受かったが、旧三次試験は受かっていない世代というのが生まれた。旧二次試験では現在の論文式試験で受ける科目の一部が対象に入っておらず三次試験がこれに相当していたことから、旧二次試験の合格者で旧三次試験に合格していないものは、旧三次試験を受ける代わりに現在の試験制度における論文式試験の租税法と監査論を受けることになった。これにより、現行制度の論文式試験合格率にはこの旧二次試験合格者が含まれてしまうため、これを除かないと現行制度の正しい合格率はわからないというわけだ。

 

さて、上記表を見ると受験者数、合格者数、合格率に大きな変動があることがわかるだろう。

最近10年間で最も受験者数が多かったのは2010年の25,147人で2015年はその40%未満となっている。合格者数が最も多かったのは2008年の3,024人で2015年はその1/3程度しかいない。そして合格率は2008年が最も高く15.3%、2011年が最も低く6.4%。その差は約2.5倍である。なぜここまで変動が大きいか。

2006年に日本でJ-sox導入という大きな制度改革が行われることが決定し、金融庁が会計士不足に備えて意図的に無理やり合格者数を増やした。そのため2008年は合格率が15.3%とかつてないほど高水準になり、監査法人の年収の高さもあり、公認会計士という資格の人気が大きく高まった。

それにより受験者数も年々増加し、2010年にピークを迎える。しかし、J-sox導入が一段落し、気付いたら会計士が多すぎるという状態に陥った。そこで金融庁は2009年から突然合格者を絞り、監査法人は給与削減、人員削減を行い、新規採用も絞った。

これにより試験の難化、監査法人就職難、監査法人給与低下という三重苦が受験生を襲い、公認会計士という資格の人気が一気に低下したのである。

そして今度は極端な受験生の減少が起き、監査法人は人員削減から数年で今度は人手不足に陥っているという状況である。

 

そのため、受験にあたってはその時々の正確な情報を把握する必要がある。未だに「公認会計士は就職難が続いている」と言う人がたまに見るが、2016年現在は全くそんなことはなく、合格者であれば誰でも就職できる状況である。

なお、受験者数の減少は底をつき2016年度試験の受験者は2015年より増加しているので、今後徐々に資格の人気は回復し受験者数は増えるとみられている。

 

 

公認会計士試験 試験制度

公認会計士試験は、年に2回ある一次試験と、年に1回ある二次試験からなる。

 

一次試験(短答式試験)

一次試験は12月上旬と5月下旬の年2回あり、どちらかに受かれば8月にある二次試験に進むことができる。

一次試験は短答式試験と呼ばれ、マークシート方式で、受験科目は財務会計論、管理会計論、企業法、監査論の4科目。

各科目の試験時間は企業法1時間、管理会計論1時間、監査論1時間、財務会計論2時間の順番で1日で行われ、配点は財務会計論は200点満点、それ以外の3科目は100点満点の合計500点満点となる。

合格ラインは毎年変動するが、2016年の短答は1回目の12月が67%の得点率、2回目の5月が66%の得点率が合格ラインであった。

また得点率40%未満の科目がある場合は全体の合計点数が合格ラインを超えていても不合格となることがある。(必ず不合格となるわけではない。これは、特定の科目がたまたま超難問となってしまった場合に、40%未満を一律不合格とすると大量の不合格者が出てしまうため、これを防ぐためだと思われる。)

 

ここ10年間の短答受験者数、合格者数、合格率、合格ラインの推移は以下の表の通り。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格ライン
2006 16,210 5,031 31.0% 69%以上
2007 14,608 2,709 18.5% 65%以上
2008 16,217 3,515 21.7% 65%以上
2009 17,371 2,289 13.2% 70%以上
2010 12月 17,583 1,576 9.0% 71%以上
5月 17,660 820 4.6% 71%以上
2011 12月 17,244 1,708 9.9% 73%以上
5月 14,970 523 3.5% 73%以上
2012 12月 13,573 820 6.0% 70%以上
5月 10,722 454 4.2% 67%以上
2013 12月 9,984 1,071 10.7% 67%以上
5月 7,966 695 8.7% 67%以上
2014 12月 7,689 1,003 13.0% 70%以上
5月 6,567 402 6.1% 68%以上
2015 12月 7,207 883 12.3% 60%以上
5月 6,058 624 10.3% 67%以上
2016 12月  7,030 863 12.2%  67%以上
5月 6,331 638 10.0% 66%以上

※2009の12月は、2010年度の第Ⅰ回短答式試験を意味している。それ以降の年も同様。

※受験者数は「願書提出者数」を意味する。(監査審査会の2012年までの定義。2013年からは欠席者数を除いた数値を「受験者数」としているが、比較のため旧い定義に合わせている)

2010年から短答式試験が12月と5月の年2回になっている。

表を見て頂くと分かるが、短答式試験の合格率も大きく変動している。2011年の5月短答が最も合格率が低く、最近の試験では合格率が上がってきていることがわかる。また、基本的に12月短答より5月短答の方が合格率は低いが、12月と5月の合格率の差は解消傾向にあると言える。

2011年5月の合格ラインは得点率を73%まで上げ、合格率3.5%と異常に低い水準まで引き下げている。一方で2015年12月は合格ライン得点率を60%まで下げて合格率を12.3%まで引き上げている。

このように短答式試験は金融庁が公認会計士の需要に応じて意図的に合格率を操作していることが明らかにわかる。年によっては合格にふさわしい能力を持っていても落とされることもある。2017年現在はまだ公認会計士不足の傾向にあるので、チャンスと言えるだろう。

 

 

二次試験(論文式試験)

二次試験は論文式試験と呼ばれる記述方式となる。

短答式試験の4科目に租税法、選択科目(経営学、経済学、統計学、民法から1科目を任意選択)を加えた6科目となる。(短答式試験における財務会計論と管理会計論は論文式試験においては「会計学」という一つの科目に統合されるので、正確には5科目だが、会計学のうち財務会計論と管理会計論は試験時間も分けて行われるため、実質的には6科目となる)

8月下旬に試験があり、金・土・日の3日間かけて行う。試験時間は会計学が5時間(管理会計論で2時間、財務会計論で3時間)、それ以外の科目は2時間で、配点は会計学が300点、他の科目が100点の700点満点となる。

初日が監査論と租税法、2日目が会計学(管理会計論と財務会計論)、3日目が企業法と選択科目という日程で行われる。

合否は得点の合計ではなく、偏差値方式となる。毎年多少の変動はあるものの、概ね偏差値ベースで52%の得点比率が合格ラインになる。これは受験者の中で上位42.7%に入ることを意味する。

 

ここ10年間の論文受験者数、合格者数、合格率、合格ラインの推移は以下の通り。こちらも旧に次試験の受験者数、合格者数を除外した数値となっている。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格ライン
2006 5,132 1,372 26.7% 52.0%以上
2007 6,320 2,695 42.6% 51.0%以上
2008 7,034 3,024 43.0% 51.0%以上
2009 5,361 1,916 35.7% 52.0%以上
2010 5,011 1,923 38.4% 52.0%以上
2011 4,254 1,447 34.0% 52.5%以上
2012 3,257 1,301 39.9% 52.0%以上
2013 3,069 1,149 37.4% 52.0%以上
2014 2,836 1,076 37.9% 52.0%以上
2015 2,956 1,030 34.8% 52.0%以上
2016 3,021 1,098 36.3% 52.0%以上

現行試験制度初年度の2006年は合格率は低いが、それをのぞくと論文式試験は短答式試験に比べると極端な合格率操作は行われておらず(やはり2007と2008は意図的に合格者を増やした感は否めないが)、おおむね偏差値52%程度(上位42.7%)を取れば合格できるのがわかる。合格率も短答式試験のように合格率数%と極端に低くなることはないため母集団の平均よりちょっと上を維持すれば合格が可能となる。当然母集団は全員短答を合格した猛者であるが。

 

 

短答免除と科目合格

公認会計士試験は1次試験である短答に合格すると、その年論文式試験に不合格であっても翌年から2年間短答式試験が免除される。

例えば2015年5月に短答に合格すれば、2015年の論文に落ちても、2016年は論文だけ受ければよく、もし2016年の論文に落ちても2017年も論文だけ受ければ良い。この免除期間は翌年から2年間と固定されており、2年間論文を受験しなかったとしても自動で消滅してしまう。

 

また、論文式試験は全体で合格点を取れなくても、成績優秀な科目については翌年から2年間受験が免除される科目合格の制度がある。2016年は各科目ごとに偏差値ベースで55.6%の得点比率(上位25%)をとった科目が科目合格となっている。

 

 

公認会計士試験 試験科目

財務会計論

財務諸表を作成する上で基本となる簿記と、その背景理論である財務諸表論について学ぶ科目。計算と理論で構成される。短答式試験と論文式試験の両方で出題される科目であり、短答式試験では4科目500点のうち唯一1科目で200点、論文式試験でも700点のうち200点が財務会計論と配点が大きいので、受験において最も重要な科目と言える。また実務においても最も重要となる科目であり、これが分からないと話にならない。なお論文式試験では管理会計論と合わせて「会計学」という1つの科目として扱われる。

 

管理会計論

財務会計は会社の経済活動を数字に表し利害関係者に開示することを目的とするのに対し、管理会計は内部での管理目的の会計を意味する。例えば商品に値段をつける時に正確な原価計算をすることで適切な価格設定を可能にしたり、費用を固定費と変動費に分けていくら以上売上が上がればどれだけ利益が出るかを計算したり。こちらも計算と理論で構成されており、短答式試験と論文式試験の両方で出題される科目。なお論文式試験では財務会計論と合わせて「会計学」という1つの科目として扱われる。

 

監査論

公認会計士が独占業務とする監査とは何か、なぜ監査が必要なのか、どのような基準に基づくのか、公認会計士は監査をするにあたり何をしなくてはならないかを学ぶ正に監査に関する理論である。理論科目であり、短答式試験と論文式試験の両方で出題される。

 

企業法

会社法、金融商品取引法、商法の3つの法律(特に会社法)を中心に学ぶ科目。会社が法律上何をしなければならないか、何をしてはならないか、会社にはどのような組織が必要か、会社が重要な行為をする時にどのような手続きを取らなければならないかと言った正に法律について学ぶ科目。単に法律に書いてある答がわかればいいのではなく、なぜそのような法律があるのかという法律の趣旨を理解することも重要になる。理論科目であり短答式試験と論文式試験の両方で出題される。

 

租税法

法人税法、消費税法、所得税法を中心とした税法とその理論について学ぶ科目。公認会計士は税理士登録もできる以上、当然に税金に対する知識も要求される。会社が支払う必要のある税金について計算できるようになるとともに、その背景にある理論についても理解が必要となる。計算と理論で構成され、論文式試験のみで出題される。

 

選択科目

選択科目は経営学、経済学、統計学、民法から任意の1科目を選択する。民法以外は計算問題も出題される。論文式試験でのみ出題される。それぞれの内容は以下の通り。なお、選択科目はほとんどの人が経営学を選択する。経営学以外はその分野に本当に精通している猛者がおり、偏差値で戦う論文式試験においては生半可な知識では経営学以外を選ぶリスクは大きい。「自分は経済学が好きだから」「自分は大学で民法を勉強したから」ぐらいのレベルで経営学以外を選ぶのはオススメしない。

経営学:経営管理及び財務管理の基礎的理論

経済学:ミクロ経済学、マクロ経済学その他の経済理論

統計学:記述統計及び推測統計の理論、金融工学の基礎的理論

民法:民法典第1編から第3編を主とし、第4編及び第5編並びに関連する特別法を含む

 

まとめ

これらを整理すると以下の表となる

科目 短答式試験 論文式試験
会計学 財務会計論 200点 300点
管理会計論 100点
監査論 100点 100点
企業法 100点 100点
租税法 なし 100点
選択科目 経営学 なし

100点

※いずれか
1つを選択

経済学
統計学
民法
合計 500点 700点

 

 

公認会計士試験 一部免除要件

公認会計士試験は特定の要件を満たした場合に一部の科目がされる制度がある。

主に以下のようなものだ。

 

司法試験合格者:短答式試験全部、論文式試験企業法及び選択科目の民法が免除

会計専門職大学院(アカウンティングスクール)卒業生:企業法以外の短答式試験科目が免除

税理士:短答式試験の財務諸表論、論文試験の租税法が免除

税理士試験の簿記論及び財務諸表論の2科目で満点の60%以上を取得した者:短答式試験の財務諸表論が免除

不動産鑑定士試験合格者:論文式試験の経済学または民放が免除

 

それ以外にも免除となる対象はいくつかあるが、一般の人にとっては縁遠い者が多い。詳細は公認会計士監査審査会のホームページで見ることができる。

基本的にどれも難関資格で、もともと上記の免除資格を持っている人が公認会計士試験を受けるという場合には有効活用できるが、あえて他の試験で免除資格を取って公認会計士試験に活かそうとするのはかえって遠回りな場合が多い。

ただし、会計専門職大学院だけはあえて遠回りをしてでも受ける価値はあるかもしれない。企業法以外の短答式試験が免除になるが、企業法は短答式試験で最も点が取りやすく、企業法だけで合格ライン(最近なら70%程度)を達成するのは非常に容易と言える。実質的に短答式試験免除のようなものだ。

そして、既に書いた通り短答式試験の合格率が10%前後なのに対し、論文式試験の合格率は30%〜40%の間で推移しており、短答式試験の免除というのは公認会計士試験においてとても大きい。

 

 

 

公認会計士試験 日程

2016年度試験

2016年度の試験を例にすると以下のようなスケジュールとなる。

 

第Ⅰ回短答式試験(12月短答)

  • 願書配付期間:2015年8月3日(月)~9月11日(金)
  • 願書受付期間:2015年8月28日(金)~9月11日(金)
  • 試験日:2015年12月6日(日)
  • 合格発表日:2016年1月12日(金)

 

第Ⅱ回短答式試験(5月短答)

  • 願書配付期間:2016年1月12日(火)~2月19日(金)
  • 願書受付期間:2016年2月5日(金)~2月19日(金)
  • 試験日:2016年5月29日(日)
  • 合格発表日:2016年6月24日(金)

 

論文式試験

  • 試験日1日目(監査論・租税法):2016年8月19日(金)
  • 試験日2日目(会計学):2016年8月20日(土)
  • 試験日3日目(企業法・選択科目):2016年8月21日(日)
  • 合格発表日:2016年11月11日(金)(予定)

※短答式試験免除者は第Ⅱ回短答式試験の願書提出時に提出する。第Ⅰ回短答式試験合格者、第Ⅱ回短答式試験合格者、第Ⅱ回短答式試験時に短答免除で願書を提出した者は自動的に論文式試験にも出願され、論文式試験時に再度願書提出は不要となっている。

 

 

2017年度試験

なお2017年度試験の第Ⅰ回短答式試験の日程は以下の通りである。願書提出する人はお早めに。

第Ⅰ回短答式試験

  • 願書配布期間:2016年8月1日(月)~9月9日(金)
  • 願書受付期間:2016年8月26日(金)~9月9日(金)
  • 試験日:2016年12月11日(日)
  • 合格発表日: 2017年1月中旬(予定)

 

 

公認会計士試験 申し込み方法

願書は公認会計士・監査審査会事務局及び各地域の財務局理財課等で配布される。また、郵送で願書を送付してもらうよう請求することもできる。郵送で請求する場合は願書配布期間より締め切りが短いので注意が必要だ。

また大手予備校ならどこも予備校でまとめて願書を取得してくれるため、ほとんどの受験生はこれを利用している。予備校の願書取り寄せ申し込みの情報は見逃さないよにしよう。

申し込みには願書請求や送付にかかる郵便代の他に、受験料19,500円がかかる。この受験料は短答を受けるごと(短答免除者は論文を受けるごと)に発生し、例えば12月短答に合格し8月論文試験を受ける場合は19,500円(短答合格後論文受験時に追加で受験料は発生しない)。12月短答不合格で、5月短答に合格し8月論文を受ける場合は19,500円×2回=39,000円。短答免除で論文だけ受験する場合は19,500円・・・となる。

願書提出にあたっては住民票等の自己を証明する書類は特段必要にはならない。

 

 

 

第3章 監査法人とは

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監査法人とは

最初の方に公認会計士の大部分は監査法人に就職することを書いた。ではそもそも監査法人とは何か。

監査法人を一言で言うなら「公認会計士が集まって設立した監査を専門とする会社」である。

監査の対象は上場企業や一定以上の規模の大会社であるから、公認会計士が個人で監査業務をするには限界がある。そこで、こうした大企業の監査に対応出来るように、複数の公認会計士が集まって設立したのがこの監査法人である。

 

 

日本の主要な監査法人〜四大監査法人とは〜

監査法人も元々は小さな会計事務所を出発点としているが、監査対象の企業が大きくなり、企業の数も増えるのに対応して、会計事務所の合併・統合が進み、現在は四大監査法人という巨大監査法人とそれ以外の中小監査法人という形に落ち着いている。

四大監査法人は規模の大きい順に、以下の4つになる。

なお、このうちあらただけは四大監査法人の中でもかなり規模が劣るため、あらたを除いた3つで三大監査法人ということも多い。

四大監査法人の規模をわかりやすく示すため、新日本の規模を100とした場合の各法人の人員・売上の規模は以下のようになる。

  新日本 トーマツ あずさ あらた
合計人員数 100 98 88 35
公認会計士等の数 100 95 92 31
売上高 100 89 84 33

 

日本に監査法人は150弱(2016年8月現在)あるが、会計士のほとんどは四大監査法人に集中しており、クライアント数も四大監査法人が圧倒的に多い。例えば所属する公認会計士・公認会計士試験合格者の数は、三大監査法人がそれぞれ4000人弱、あらたは1200人ほどであるのに対し、業界5位に位置する太陽有限責任監査法人でも250人程度、その下になると100人程度の法人が2〜3個、さらにその下になると数十人、 TOP10より下は10人前後とか数人という規模になる。そのため四大以外の中小を全部集めてのあらたにも及ばないような規模である。

 

 

海外の主要な会計事務所〜BIG4とは〜

このように監査法人の一極集中が進んでいるのは海外も同様で、海外の主要な会計事務所をBIG4と呼ぶ。

現代社会では企業はグローバルに展開するのが当然となっており、日本の会社であっても海外にたくさんの子会社を抱えていたり、海外の会社の日本法人もたくさんあるのは皆さんもご存知の通りかと思う。

こうした企業のグローバル化に対応し、各国の監査法人もそれぞれ世界中に提携先ネットワークを構築しており、日本の四大監査法人はそれぞれいずれかの BIG4と提携している。

BIG4と日本における提携先は以下の通り。

  • アーンスト&ヤング (Ernst & Young)
    略称:E&Y、EY。本部はロンドン。新日本の提携先グループ。
  • デロイト トウシュ トーマツ (Deloitte Touche Tohmatsu)
    略称:DTT, Deloitte. 本部はニューヨーク。トーマツの提携先グループ。
  • KPMG (KPMG)
    本部はアムステルダム。あずさの提携先グループ。
  • プライスウォーターハウスクーパース (PricewaterhouseCoopers)
    略称:PwC。本部はロンドン。あらたの提携先グループ。

なお、これらBIG4は日本では知名度はあまり高くないかもしれないが、海外ではバツグンの知名度を誇る。世界的な採用ブランディング会社であるUNIVERSUMが毎年行っている世界の就職したい企業ランキング調査では常にBIG4はTOP10に入っており、2015年は以下の順位となっている。

順位 会社名
1 Google
2 PwC
3 EY
4 Goldman Sachs
5 KPMG
6 Deloitte
7 Apple
8 Microsoft
9 J.P.Morgan
10 P&G

 

監査法人への就職状況

公認会計士試験に合格するとほとんどの人が監査法人への就職を希望する。

公認会計士の独占業務である監査を行うには監査法人に入るのが基本であり、監査法人は給料も良く、公認会計士登録のための実務経験も積めることから基本的にみんな一度監査法人に入る。そこから数年間で監査法人以外に転職したり独立といった道を選ぶ人も多い。

監査法人に入れないと公認会計士試験に合格しても監査の実務を知る機会がないため、公認会計士試験に合格した後監査法人に入れるかは受験生にとっても重要なポイントだ。

 

監査法人の就活状況は一定の周期で変動する。2006年頃〜2008年頃は大量合格時代で監査法人も基本的に全ての合格者を受け入れていたので誰でも監査法人へ就職できる時代だった。監査法人は多くの合格者を採用するために、面接でケーキを出したり、就職説明会後は受験生を高級焼肉でもてなしたりして、とにかく監査法人側が頭を下げて受験生に来てもらう時代であった。そのため2006〜2008あたりは焼肉世代と呼ばれたりする。

しかしその後、2009年頃から合格者が増えすぎて人を取りすぎた監査法人が今度は一気に採用を絞るという時期が訪れた。特に2010年と2011年は監査法人への就職難のピークであり、公認会計士試験に合格しても監査法人に入れない受験生が大量に出た。新聞等でも公認会計士試験合格者の就職難が取り上げられるような状況になり、この世代は監査法人に入れなかった人達が一般事業会社や中小会計事務所に行き場を求める事態となった。

しかしそうした就職難と試験の極端な難化により資格としての人気が急降下。前述した通り受験者数はピーク時の半分以下に減り、今度は合格者が減りすぎて監査法人は一転して人手不足に陥るという状況になった。これが2012年頃からの話。

そして2016年現在、公認会計士試験の人気低迷は続いており、未だに監査法人では人手不足な状況が続いている。2015年合格者の採用においては、かつての焼肉世代のような接待採用が行われており、基本的に監査法人は「試験合格者なら誰でもいいから確保しろ」という状況である。

この状況は今後試験の人気が回復し受検者数増加→合格者数増加という流れが来ない限り解消しないものと思われる。

今後どうなるか保証はできないが、少なくとも数年は「合格者は誰でも監査法人へ入れる」という状況が続きそうである。

 

なお、たまに「監査法人への就職はできるとしても大手監査法人はやっぱり難しいんじゃないですか?」とか「大手監査法人に入るためにはどうしたらいいですか?」という質問を受けるが、監査法人の就活においては大手監査法人に入るのが最も簡単である。

既に書いた通り、監査法人は四大監査法人が圧倒的な規模を誇っており、合格者に対する求人数も四大監査法人が圧倒的に多い。そのため合格者のほとんどは大手監査法人に入ることになり、「大手には入れないんじゃないか」という心配は全くしなくていい。むしろ採用枠数人の中小監査法人に入る方が難しかったりする。

 

監査法人への入る上でのハードル〜年齢・学歴・成績等〜

前述の通り、今は「誰でも監査法人に入れる」状況である。

しかし、人によっては年齢や学歴や試験の成績等でフィルターに引っかかり落とされるんじゃないかということを気にする人もいるだろう。

結論から言うと、今の状況では年齢や学歴等も全く気にしなくていいと思う。

最近の新人を見ていると、30代後半で前職フリーターという人も普通に受かっているし、大学中退や高卒で入ってくる人もそれなりにいる。成績に至ってはほとんどの法人で聞かれることすらないのではないだろうか。

採用担当のパートナーに聞いても、明らかに常識の範囲を超えた変な人とか極端な例を除いて基本的に全員に内定を出すと言っている。

もちろん今後合格者が増加するなど状況が変化すれば今の採用方針も変わるので、超売り手市場の今は受験生にとってチャンスだと言える。

 

 

監査法人の採用時期・就職時期

監査法人では一般企業のような新卒採用と中途採用ではなく、いわば新規合格採用と過年度合格者採用のような区別の仕方をしている。

このうち過年度合格者については通年で採用を行っている。一般企業の中途採用をイメージしてもらえればいいだろう。詳細は各法人のHPを参照。

新規合格者採用については、8月の論文試験後から徐々に採用活動がスタートし、具体的に選考が始まるのは論文合格発表後の11月以降、内定通知が12月頭で、入社が2月というのが最近のスケジュール。なお2010年までは論文式試験後すぐに選考が始まり9月入社や12月入社というのがあったが、2011年以降は今のスケジュールに落ち着いている。

なんとなくのスケジュール感は以下の通り。

時期 やること
論文前 最近は人手不足に対応して、事前に受験生との接点を持ち囲い込むためにオフィス見学ツアーや相談会のようなことを事前にやっている。受験に集中した方がいいので無視していい。
8月〜
9月
各法人の就職説明会が開催される。大手予備校では合同説明会を開催しているところも多い。
11月 合格発表後、一斉に各法人の採用活動がスタートする。
合格発表から一週間ぐらいで面接が開始、そこから2〜3週間ぐらいで全ての選考が終了する。
12月 上旬に内定発表。内定発表後は相談会等の開催。内定通知から1週間程度を期限に内定承諾する。
2月 入社。まだ学生の人は4月入社となる場合もある。

なお、従来四大監査法人は紳士協定により一斉に採用開始、一斉に内定通知というルールがあったが、近年はこれを反故にする法人もあったため2016年は従来のスケジュール通りにはならなそうだという情報がある。おそらく、全体的にスケジュール感が早まり、合格発表前に選考がスタートするなんてこともあるかもしてない。

論文式試験が終わったら監査法人の就活情報は予備校を通じてしっかり情報収集した方がいいだろう。

 

 

監査法人の年収や労働環境について

 

監査法人における年収や労働環境については以下の記事で詳しく書いているので、今回は割愛する。

 

監査法人ごとの違い〜どの監査法人に就職すべきか〜

公認会計士試験に受かったらどこの監査法人に入るべきか、監査法人にはどのような違い・特徴があるのか、就活する時に何をもって監査法人を選べばいいか。そういった疑問は誰しもが持つと思う。

これについては試験に受かった後でじっくり考えれば良いと思うが、気になる人は以下に監査法人の比較記事をまとめてあるので参考にしていただきたい。

 

 

おわりに

以上。いかがだっただろうか。

公認会計士に興味を持ち始めた人が疑問に思うようなポイントを網羅的にまとめて整理してみた。

この記事を読んで公認会計士という資格と、公認会計士試験、そして公認会計士が働くことになる監査法人という組織について多少は理解が深まったのであれば幸いである。

なお、公認会計士を実際に目指すかどうかは自分でも情報収集して、じっくり慎重に決めることをオススメする。

高い収入、職業としての安定性、社会的なステータスの高さ、人材としての価値の向上など、得られるリターンもかなり大きい分、試験はなかなかの難易度である。合格するためには少なくとも1年以上を会計士試験に捧げる必要があり、落ちることを考えるとリスクも高い。

本当に公認会計士になりたいか、公認会計士になって何がしたいのかをよく考えて決断し、目指すと決めたのであれば試験に全力を注いで是非短期合格を目指していただきたい。

 

最後に、今後公認会計士を目指すかどうか、目指す場合独学でいくか予備校に通うか、予備校はどこがいいか等、今後疑問が生じるであろうポイントについてまとめた記事を以下に紹介して終わりにする。

-公認会計士・公認会計士試験


 comment
  1. 太郎 より:

    はじめまして。広告代理店に務めているものです。

    貴サイト様へ広告掲載のご相談をしたいのですが、
    そういった場合はどちらからお問い合わせすればよろしいでしょうか……?

    お手数ですがご返信頂けますと嬉しいです。

  2. GTR より:

    太郎さん

    コメント頂いた際にご登録頂いたアドレスにご連絡すればよろしいでしょうか?
    あちら以外のアドレスにご連絡した方がよろしければコメントで記入頂けますでしょうか。
    こちらに記入頂いても私が承認するまでは公開されませんので、アドレス確認しましたら公開せずそのまま削除しますので、サイト上にアドレスが公開されることはございません。
    よろしくお願い致します。

  3. ひっさ より:

    興味深く読ませていただきました。
    そこで、少しお伺いしたいのですが、私は現在簿記2級を持っており、1級の勉強をしています。模擬試験などを受け入ていて、なかなか自信があります。
    これを踏まえて、お伺いしたいのですが、公認会計士の1次試験だけならば独学で受かることはできますか?また、独学でできるとすれば、どれくらいの時間が必要になると思いますか?私は、働いているため、専門学校へ長く通うことはできません。そこで、1次だけでも受かっていれば、踏ん切りがつくと思い相談させていただきたいと思いコメントさせていただきました。お忙しいとは思いますが、お答えいただければ幸いです。

  4. GTR より:

    ひっささん

    コメントありがとうございます。
    質問に答えさせて頂きます。
    あくまで私の個人的見解ですが、一次試験であっても独学で合格するのはかなり厳しいと思います。
    会計士試験は一次試験も二次試験も同じレベルで難しい(むしろ個人的には一次試験の方が難しい)ので、一次試験なら独学で受かるということはあまりないと思います。たぶん一次試験を独学で突破出来る人なら二次試験も受かります。
    従って一次試験と二次試験を分けて考える意味はあまりなく、結局「会計士試験」に独学で受けるかどうかという話に戻り、試験の難易度を考えるとほとんどの人にとっては困難というのが私の見解となります。

  5. もんもん より:

    直近の論文CPA生ですが、答連の成績上位者は全て日吉校で早稲田校が1一人です。
    つまり、合格者はほぼ日吉校です。これが合格率のからくりです。

  6. かー より:

    いつも読ませていただいております。会計士の学習を冬より始める予定の者です。
    選択科目についてですが、統計学を選択することを考えています。
    理由として、
    ①もともと理系であったこと
    ②大学の授業で選択科目統計学の範囲をほぼ学んでいること
    ③実際に過去問を見ると今でも解けそうな問題がちらほらあったこと
    があります。正直経営学を1から始めるよりこちらの方が自分には合ってると思っているのですが、一つ懸念事項があります。知識の差です。
    大多数が経営学を選択しているということは、大多数が経営学の知識を有して職務に臨んでいるということになります。もし経営学の知識を大いに用いるのならば、これは他科目選択者にとって大きなデメリットになりかねません。

    そこで質問なのですが、経営学の知識は実務においてどの程度使われる・役に立っているのでしょうか?
    また、統計学やその他科目選択科目でも実務において決定的な差が生まれるということはあるのでしょうか?

    お忙しい中申し訳ございませんが回答の程よろしくお願いします。

    • GTR より:

      かーさん

      コメントありがとうございます。
      単に合格ではなく実務まで見据えて素晴らしい視点ですね。
      結論から言うと、選択科目で実務に大きな差が出ることはないと思います。というか、ほとんど影響はないと思います。
      たまに経営学の知識が生きることはありますが、それが実務で活躍できるかに直結してるかというと、そんなことはないですね。
      どの科目を選んでも実務で活躍できるかどうかには関係ないと思ってもらって大丈夫です。
      会計士試験でやる経営学はそこまで深い内容でもないので、もし経営学を学びたいなと思ったら経営学の本を何冊か読むぐらいでもカバーできます。
      統計学で優位性がありそうであれば、気にせず統計学を選んでいいと思います。

      • かー より:

        早々に返信ありがとうございます。
        なるほど、そのご回答をいただけて安心しました。
        確かに試験範囲を見て思いましたが、選択科目の範囲は意外と広くないものなんですね。(実際経済学に関しても、学部の授業で全て履修済みでした)

        今後もブログを楽しんで読ませていただきます。
        お仕事頑張ってください。

  7. A より:

    はじめまして。
    事業所で決算業務を行いながら1年LECの2010年度短答試験講座を受講していました。
    短答合格ならず、仕事との両立の厳しさにドクターストップがかかりそのままとしていました。
    ようやく仕事が軌道にのり、勉強との両立ができそうなのですが、2010年度短答講座だと教材
    としては古すぎるでしょうか?
    2011年に会社法改正分については追加教材を購入したのですが・・・
    2015年度に会計士試験に合格した方より「そこまで大きく改正されていないから大丈夫ではな
    いか?」とは言われたものの、こちらを拝見すると全て購入し直すしかないかと思いまして。
    ご助言いただけると助かります。

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