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公認会計士は目指すに値する資格か

2016/04/12

こんにちは。公認会計士GTRです。

(※他の記事をご覧いただく場合こちらの目次から見ていただくと見やすいと思います。)

 

 

記念すべき一回目の投稿は「公認会計士は目指すに値する資格かどうか」です。

私も自分の将来を考えた時に、普通に就活すべきか、公認会計士試験を目指すかですごく悩みました。

公認会計士試験は、私の知る限りでは「子供の頃からずっと会計士になりたかった」というような人は少ないです。というか私の周りでは会ったことが無いです。

わりとみんな、公認会計士になるためのコストと、得られるリターンを測りにかけ、リターンが大きいと考えて目指す人が多いと思います。

 

 

苦しい公認会計士試験を乗り越え、監査法人で数年間働いた今、振り返ってみて公認会計士を目指してよかったかどうかについて書きたいと思います。

 

 

 

 

その人の状況によっても異なるので一概には言えませんが、あくまで私個人の意見として、結論から言います。

ズバリ、公認会計士は目指すに値する資格でしょう。

 

 

 

 

その理由について説明していきます

 

公認会計士の仕事

まず、公認会計士の仕事について説明しましょう。

私は大学生になるまでは公認会計士という資格を知りませんでしたし、一般的な認知度はあまり高くないと思います。

公認会計士は俗に三大国家資格と言われる難関資格で、会計系資格の最高峰と言われます。

(三大国家資格とは、司法試験、公認会計士の2つと、残り1つは医師とか不動産鑑定士等と言われる、難関資格の代名詞的なものです。)

 

 

公認会計士の主な仕事は「監査」です。これは公認会計士及び公認会計士によって構成される監査法人の独占業務として、文字通り会計士にしかできない仕事です。

監査とはどういう仕事かというと、すごく簡単に説明するならば、第三者の立場から会社の成績にお墨付きを与える仕事です。

通常会社を運営するには、お金が必要です。

会社はお金を銀行から借りたり、株を発行して出資を募ったりします。

では、お金を貸す立場の人や、出資する人は、何を持ってその判断をするかというと、会社の成績や財産の状況を踏まえて判断します。

「この会社は毎年利益を出しているから、出資をすれば配当で利益を上げれるな」とか「この会社は資産がたくさんあるからお金を貸しても大丈夫だな」という判断ができるわけです。

しかし、会社がお金を調達したいために偽りの数値を公表する可能性があります。

そこで、公認会計士が第三者の立場から会社の業績等をチェックして、正しいかどうかのお墨付きを与えるのです。

これが公認会計士の仕事です。

 

 

なお、監査は公認会計士の独占業務ですが、公認会計士は会計のプロフェッショナルとして監査以外にも例えば以下のような仕事をしている人も多いです。

  • コンサルティング業務
  • FAS業務
  • 税務(公認会計士は税理士登録が可能なので、税理士として仕事ができる)
  • 一般事業会社の経理
  • etc...

 

 

 

公認会計士試験の内容

公認会計士試験は、年に2回ある一次試験と、年に1回ある二次試験からなります。

一次試験は短答式試験と呼ばれ、マークシート方式です。

12月と5月の年2回あり、どちらかに受かれば二次試験に進めます。

財務会計論、管理会計論、企業法、監査論の4科目です。

 

二次試験は論文式試験と呼ばれ、記述方式です。

8月に試験があります。

短答式試験の4科目に租税法、選択科目(経営学、経済学、統計学、民法から1科目を任意選択)を加えた6科目です。

 

受験資格は特になく、過去には高校生で合格した人もいます。

一次試験に一度受かると、その後二年間は一次試験が免除され、二次試験を直接受験できます。

(例えば、2015年5月の短答式試験に受かると、2015年8月の論文式試験に進みますが、もしそこで落ちても2016年8月と2017年8月の論文式試験が受けれます)

 

また、会計専門大学院卒業者は一次試験のうち企業法以外の3科目が免除されます。

出願者数は2015年試験で10,180人

合格者数は1,051人で合格率は10.3%

なお、出願者数10,180人のうち1,579人は前年度までの一次試験免除者のため、一次試験の受験者数は8,601人(12月と5月両方受けたものは名寄せして1名としてかうんと)、このうち一次試験合格者数は1,507人(12月と5月の合計)なので一次試験合格率は17.5%です。

受験費用はおよそ2万円です。

 

受験者の母集団は比較的高学歴な人が多く、その中で10%という合格率は相当厳しい数値だと思います。

それでも、合格者が全員高学歴・高スペックかというとそうでもないです。

私の感覚にすぎませんが、合格者は慶応が最も多く、次に早稲田。それにマーチとある程度上位の公立大学が続くイメージです。日東駒専レベルの大学の人もそれなりにいますし、高卒、専門卒の人もたまに見かけます。

私もマーチの中の下位の学部出身なので、決して勉強ができるわけではありません。

合格した後で「お前って頭良かったんだ」とよく言われました。

司法試験と難易度が同等のように言われることもありますが、原則全員が法科大学院卒の司法試験と比べれば、やはり難易度は一つ下がる気がします。

私の感覚的な言い方をすれば「努力すれば絶対受かる試験」とは言えないが、「天才でなくとも死ぬほど努力すれば合格が現実的な試験」という感じです。

 

 

公認会計士のコストとリターン

公認会計士になるためのコストと、なれた場合のリターンについて考えてみましょう。

 

公認会計士になるためのコストは、お金、時間・労力、リスクです。

 

まずお金ですが、主な出費は予備校の授業料です。

公認会計士試験は司法試験と並んで最難関の国家資格と言われるように、相当の難易度です。

まず独学は無理だと思います。独学で受かった人は見たことがないので、現実的な選択肢をするなら資格予備校に入ることが必須となります。

授業料は予備校にもよりますが、大原で60万円台、TACで70万円台だったと記憶しています。この二校が最大手であり、受験生の大部分はこの二校に通っています。

1年で合格できる人は少なく、2年めで合格する人が多いので、実際はそれよりかかります。2年目は基礎カリキュラムが省略されたコースになることや、ある程度成績の良い人は割引制度もあるので2倍とはなりませんが、合格までの現実的な費用は100万円程度になるかと思います。

 

次に時間です。

難関資格ですので、相当の勉強量をこなす必要があります。

合格までの勉強時間は最低3000時間、多くて5000時間などと言われているようです。

自分が合格した時の総勉強時間は覚えていませんが、毎日朝7時に予備校に入り、夜22時まで勉強するといった生活を続けていた記憶があります。

大学生であれば遊ぶ時間を削って勉強しなくてはなりませんし、社会人であればプライベートな時間は全て勉強に回す必要があります。

 

 

そしてリスクです。

上にも書きましたが、公認会計士試験は相当な時間・労力がかかりますが、時間・労力をかければ誰もが受かる試験ではありません。

合格率は10%であり、受験者の母集団がある程度高学歴の方が多いことを考えると、「努力すれば必ず受かる」試験ではないのです。

私も、死ぬほどの努力をして勉強してきた仲間が、何年も受からず諦める姿を数多く見てきました。

この試験は、一次試験の免除期間や科目合格の制度はあるものの、いずれの免除期間も2年の制限があり、短期決戦の試験と言えます。

コツコツと勉強して、何年もかけて合格を目指すというのは向かない試験です。

そのため、大学生であれば新卒での一般就職を捨てなければなりませんし、社会人であれば、本気で合格したい場合には仕事を辞めて受験に専念する人が多いです。

しかし、それでも落ちてしまうこともあり(むしろ落ちる人の方が多い)、非常にリスクが大きい試験です。

 

 

 

では、そうまでして試験を受けるメリットは何なのでしょうか。

公認会計士になって得られるリターンは、金、人材価値でしょう。

自分の人材価値の上昇は、有利な条件で転職するためと考えるならば、それも金と言ってしまってもいいと思います。

 

 

では、公認会計士になって得られる給料について説明します。

公認会計士になると、大部分の人は監査法人に就職します。

そのため、公認会計士の給料は、監査法人に就職した場合の給料を前提とします。

 

 

監査法人は四大監査法人(新日本、トーマツ、あずさ、あらたの4つ。あらたは規模が劣るのであらたを外して三大監査法人と言われることもある)が圧倒的な規模を誇っており、合格者のほとんどは四大監査法人に入ります。

数年前は会計士の就職難という時期もありましたが、現在は人手不足な状況が続いており、数年間は自分が行きたい法人にほぼ無条件で入れると思います。

四大のうちあらたはみなし残業代の制度があったり、給与体系が少し異なるので詳しくはわかりませんが、それ以外の三大監査法人は給料ではそこまで極端な差はないと聞きます。

私の法人の場合で言いますと、1年目の初任給(手当含む)が月額約30万円。これに賞与と残業代がつきます。

賞与は、法人の業績や個人評価によっても変わりますが、私が入社してから現在に至るまでの平均では5ヶ月分ぐらいな気がします。法人によって結構違うそうです。

残業代は、今は私のいる法人はやった分はほぼつけられます。

残業時間は人によってかなり差がありますが、今は人手不足なので結構多いと思います。

諸々含めると私のスタッフ(入社してから4〜5年目ぐらいまでの職位)時代の平均給与は600万円〜650万円ぐらいです。なお、給与体系は変化ありませんが、入社1年目は賞与が満額もらず(丸一年以内ので、入社してからの期間の月割になる)、残業時間もまだまだ少ないので450万円ぐらいでした。

シニアスタッフ(順調なコースで昇格できれば入社して4〜5年目から、7〜9年目ぐらいまで)の月額は45万弱と大幅に増えるので、年収が800万から多い人で1000万になる人もいます(滅多にいませんが)。

その後はマネージャー、シニアマネージャー、パートナーと昇格していきますが、マネージャーは1000万円前後、パートナーは1500万円〜、シニアマネージャーはその間といった感じです。

なお、マネージャーより上は管理職扱いのため基本残業代は出ません。

また、パートナーは個人の成績や役職によってかなり差があり、数千万の人もいます。

 

 

なお、転職した場合は当然給料は変わりますが、私の周りではスタッフから転職した人は同じ水準、シニアスタッフで転職した人は下がるという人が多いです。(マネージャーから転職した人は知りません)

上がった人は多くはありませんが、コンサル行った人は上がったという話も聞きます。

リスクはありますが、個人で独立開業して驚くほど稼いでいる人も中にはいます。

 

 

この給料を高いと感じるか低いと感じるかはもちろん人によって違うと思いますが、私はまあまあ高いかなと思っています。

さて、以上のように、公認会計士になる上では相当のコスト・リスクがある一方で、これまた相当のリターンもあります。これをどう考えるかです。

 

 

私個人の意見を言えば、条件付でリターンがコストを上回っていると思います。

条件とは以下です。

①特別な能力がなく、普通に考えると会計士並に稼ぐことは難しい
②他に絶対にやりたい仕事がない・会計士の仕事が嫌じゃない
③努力する覚悟がある

 

上記の①について言えば、会計士にならずとも会計士以上に稼げるような方なら、わざわざ会計士になる必要はない気がします。

例えば、基本スペックが超高くて外資コンサルや投資銀行に就職してバリバリ働ける人や、営業スキルが高くて成果報酬をバンバン稼げちゃう人。

 

また、②については、会計士以外に絶対やりたい仕事があるならその仕事をすべきだし、会計や監査がどうしても好きになれないならやめた方が良いでしょう。

 

最後に③ですが、やはり会計士試験に受かるためには相当の勉強が必要です。ただし、極端に勉強が出来ない人で無ければ、死ぬ気で2〜3年勉強すれば十分受かる可能性のある試験だと思います。

特別に頭が良い必要はありませんが、数年間は全ての時間を試験のために投じる覚悟が無いならやめた方が良いと思います。

 

 

 

以上の3つの条件が当てはまるなら、公認会計士はかなり良い選択肢だと思います。

試験は相当難関ですが、逆に言うと試験に受かりさえすれば誰でもなれる仕事です。

答えのある世界なので、普通に就職するよりは努力が結果として現れやすいと思います。

 

 

私の場合は、大した学歴もなく、大学時代特に強みも無かったので、普通に就職していたら今より全然安い給料で働いていただろうし、生涯年収でみればとんでもない差があると思います。

そういう意味で、公認会計士試験は自分の価値を大幅に上昇させる数少ない手段でした。まさに一発逆転。

また、試験に受かればその地位と収入が保証されているようなものなので、リスクについても特別高いとは感じませんでした。

仕事自体は、監査はつまらないなと思うことも多いですが、社会的地位も高く重要な仕事でやりがいはあると思います。

何より、監査法人での経験と会計のプロフェッショナルとしての知識を活かせば、転職活躍できる舞台はかなり広いと思います。

 

 

 

そんなわけで、個人的には公認会計士試験おすすめです。

(※他の記事をご覧いただく場合こちらの目次から見ていただくと見やすいと思います。)

 

 

-公認会計士・公認会計士試験


 comment
  1. しげ より:

    こんにちは。
    この春大学生になったものです。
    私はこれから公認会計士を目指そうと思っているのですが、経済的な事情から、できれば予備校に通わず試験を受けたいなと思っています。
    独学だとやはり難しいのでしょうか。

  2. GTR より:

    しげさん

    個人的には独学は相当厳しいと思います。
    最新の記事に独学について書いてみたので、そちらをご参照下さい!

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