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公認会計士がブログで会計について考える

受験環境に関するQ&Aまとめ〜大学、就活、仕事との両立について〜

 

こんにちは。公認会計士GTRです。

記事のコメント欄で受けた質問は基本的になるべく返すようにして言いるが、コメント欄まで見ない人も多いので記事にもまとめて欲しいという要望を受けた。

最近受けた質問の中でよく聞かれることが多い、大学、就活、仕事との両立について改めて記事に整理したいと思う。

 

 

大学に行く必要があるか・大学を卒業する必要があるか

公認会計士の試験に大卒資格がいらないことや、監査法人内での出世に学歴が影響しない点は書いているが、時々高校生の方から「だったら最初から大学に行かず予備校に行ったほうがいいか?」とか「受験に専念したいから大学辞めてもいいか」という質問を受ける。

結論から言うと、私は今は大学に行ったほうがいいし、卒業したほうがいいと思っている。

これについて考えてみる。

 

大学に行く・卒業するメリット(=大学に行かない・卒業しないデメリット)

まずは大学に行くメリットについて考えている。

 

①公認会計士になれなかった場合のリスクヘッジ

公認会計士試験は相当難易度の高い試験である。従って、誰でも合格することができるわけではなく、もし不合格になった場合は諦めて普通に就職する可能性も十分ある。

その際に大卒と高卒では全く就職条件が違うので、リスクを考慮するなら大学は出た方がいい。

 

②公認会計士以外になりたいものが見つかった場合の可能性を狭めない

公認会計士は非常に魅力的な資格だ。社会的なステータスもあるし、給料も高いし、有意義な仕事だ。

しかし世の中には他にも魅力的な仕事はたくさんあり、公認会計士が絶対的に良いとは到底言えない。

高校生でこれから可能性がまだまだ無限大なので、今は公認会計士になろうかなと思っても、今後他にやりたいことが見つかる可能性は全然ある。

日本ではまだまだ学歴社会なところがあり、大学に行かないという選択肢は自分の「可能性」を狭めてしまう可能性があるので、将来色々な可能性を残すのでであれば大学に行ったほうがいいだろう。

 

③就職難の状況になれば学歴が必要になる場合もある

監査法人は基本的に学歴はそこまで重視されないが、就職難の時代には学歴も含めて選考が行われた。

従って、今後監査法人の就職難になる場合は学歴が低い(高卒)がネックになり監査法人に就職できないということが考えられる。

 

④公認会計士として監査法人以外のキャリアを考えている場合には必要

監査法人への就職や出世においては学歴は重視されないものの、監査法人から他業種へ転職する場合はやはり学歴で評価されることが多い。特にコンサルは学歴至上主義な部分がある。自分の可能性を広げるという意味では大学に行った方がいい。

 

 

大学へ行かない・卒業しないメリット(=大学へ行く・卒業するデメリット)

次に大学へ行かず公認会計士試験の勉強に専念した場合のメリットについて考える。

 

①勉強時間に専念できる(=合格の可能性は高くなる)

大学へ行くと大学の授業にも出なきゃいけないので、会計士の勉強に費やせる時間は確実に減る。

また大学に入ると(大学のレベルや所属するグループにもよるが)無駄な誘惑が増える。みんながキャンパスライフを謳歌している中勉強に専念するのはなかなか辛いし、飲み会だったり遊びに誘われるなど色々な誘惑がある。

サークルに入ればよりそうした誘惑が増えるだろう。

であれば大学に行かない方が合格できる可能性は高くなる。

 

②経済的負担が減る

大学は私立文系であれば年間100万円程度×4年間=400万円ものお金がかかる(理系ならもっと)。基本的にはダブルスクールする必要があるので、経済的負担は大きく増える。

一人暮らしであれば生活費もはさらにかかる。

経済的に余裕がないのであれば大学に行かず公認会計士試験に専念したほうが負担は減る。

 

③(これから大学受験が必要な場合)合格時期が早くなる

ある程度の大学に入るためには受験勉強を乗り越えなければならないが、大学受験をしないのであれば高校の間に会計士の勉強を始めることができる。

したがってその分合格するのが早くなる可能性がある。

 

 

整理

上記のそれぞれのメリットを考えた場合、やはり「リスク」を減らせるのは大学進学した上で公認会計士を目指す道だと思う。また、会計士の資格を生かして将来多様な働き方をするのであれば、大卒という学歴が必要になる場合もある。総じて大学に行ったほうが「リスクが低く」「可能性が広がる」と言える。

一方で大学へ行かず公認会計士試験に専念することは、合格の可能性は相対的に高まる。

「絶対に公認会計士試験に合格する自信がある」のであり、かつ「将来は監査法人から出るつもりがない」のであれば、大学へ行く必要はない。あとは、やはり経済的負担もあるので、大学進学の余裕がないので公認会計士試験に全てをかけるというのであれば、それもありだと思う。

ただ、公認会計士試験の難易度を大学に進学しない・卒業しないで会計士試験にかけるのは非常にリスクの高い選択肢だというのは自覚した方がいいと思う。

 

 

大学在学中受験で一般就活をするかどうか

大学1年生や2年生から勉強を始めて4年までに会計士試験に合格できなった場合に気になる「就活するかどうか」問題。

私は周りが就活始めるぐらいのタイミングで会計士の勉強を始めたのでむしろ迷いはなかった。最初から背水の陣で公認会計士試験一択で全力を注いだ。これが結果的に良かったと今でも思う。

一方で、大学生の前半で試験勉強を開始した人の中には新卒の就活のタイミングで「受験専念」か「就活も並行してするか」で悩む人もいるようだ。

これについて論点を整理して考えてみたい。

 

前提

この「受験専念」かどうかという問題は、就活以外にも働きながら勉強するか辞めて専念するかなど色々あると思うが、前提としての「どれだけ公認会計士になりたいか」という本気度で変わってくると思っている。

絶対に公認会計士になりたいのであれば、受験専念がいいに決まっている。いいとか悪いではなく、公認会計士になりたいのであれば試験に受からなければならないので。

しかし、色々な将来の可能性の中から相対的に評価して公認会計士はなるのが良さそうという方は、リスクやリターンのバランスから見極める必要がある。

また、就活を始めるタイミングで既に短答(一次試験)に受かっているかどうかでもだいぶ変わってくる。場合分けして考えてみる。

 

就活を始めるタイミングで短答に受かっている場合

この場合は短答に受かっている時点で「そもそも地頭が悪い」とか「根本的な実力不足」ということはないと思う。あとは努力量が伴えば合格が射程圏内に入っているので、基本的には就活せずに受験に専念した方がいいと思う。

このタイミングで変に脇道に逸れて論文のチャンスを逃してしまう人は本当にもったいないと思う。

私だったら絶対に受験に専念する。

ただ就活すればその分勉強に費やせる時間が減るので。ただ、公認会計士はあくまで一つの武器として取得するのであって、本当にやりたいことが他にあるのであれば、就活するというのも一つの手だとは思う。

 

就活を始めるタイミングで短答に受かっていない場合

要は大学3年の時の12月短答までに受からず4年に進んでしまったパターンだ。

この場合でも公認会計士に本気でなりたいのであればやはり就活はせず勉強に専念した方がいいと思う。

リスクヘッジでとりあえず就活ながら5月短答受けてみて、ダメでも内定もらっておけば4年の12月でもう一度短答受験して、そこで受かれば働きながら論文の勉強できるし、リスクが減ると考える人は多いのだろう。確かに短答は毎年試験があって、年に2回チャンスがある。一方で新卒の就活は時期が決まっており、新卒での就活タイミングを逃すと非常に就職のチャンスが減るのが日本の就活の実態だ。であれば、リスクヘッジのために就活だけはやっておくというのは確かに理にかなっている。

しかし、私の周りだと就活して、結局5月の短答に受からず、内定もあるから次の12月短答も本気になれずドロップアウトしてしまう人がすごく多い。内定をもらえたことで受験に対する本気度が低下してグダグダ行く可能性が高いように思う。

但し、もし大学4年までに数年間受験勉強を本気でやってみて、それでも全然手応えがないという人はそもそも公認会計士試験に受かるだけの能力がない、ということもなくはない。場合によっては自分の実力を見定めて撤退するという選択も視野に入れて就活しておくというのはアリだと思う。

 

第3の選択肢の提案「休学」

大学4年で受験に専念する(受かる可能性は高まるが、受からなければ新卒就活のチャンスを逃す=ハイリスクリソース集中型)。

大学4年では就活と受験を並行する(受かる可能性は下がるが、受からなくても新卒就活できる=ローリスクリソース分散型)。

この二つで考えがちかもしれないが、ここで良いとこどりできる第三の選択肢を提案したい。それは休学だ。

 

確かに公認会計士試験に受からなかった場合を考えると、せっかく大学に進んだのに新卒就活のチャンスを逃すというのはかなりもったいない。今は市況もいいので、一般企業の就活もいいとこに入りやすい。受験に専念する方が合格は近くが、合格できなかった時のリスクを考えるとなかなか決心がつかないという人も多いと思う。

そういう方は休学という選択肢も考えてみる価値はある。大学にもよるが、休学にかかるお金がそこまで高くない大学も多い。

休学のメリットはもう一年間受験に専念できる期間を設けつつ、ダメな場合は新卒就活のチャンスを残せること。一方のデメリットはお金がかかること。

例えば大学4年生に進学するはずの4月から1年間休学し「次の5月と12月の短答で合格することができなかったら諦めて来年は一般就活をする」という選択も取れる。

あるいは、4年生に進学しても就活せずに5月短答まで全力でやり、短答に受かって入ればそのまま論文に専念。もしダメであれば9月から1年間休学し、来年の12月まで全力でやってみてダメであれば諦めて一旦通常の就職を選ぶというのもできる。

 

 

社会人が公認会計士試験を受ける場合は仕事を辞めるべきか

これは社会人受験の方は誰しも悩まれるだろう問題だ。

けっこう質問を受けるが、その人の置かれた状況によって正解は変わってくると思うので、一概にどうこうとは言えない。

それぞれの場合のメリット、デメリットとどんな人にオススメかを分けて整理してみた。

 

仕事は辞めずに受験する

メリット:仕事を辞めずに受験するメリットは安定して収入を得られて、ダメでも今の仕事があるからリスクが低い。

デメリット:仕事が忙しくて勉強時間が確保できない=合格(リターン)を得られる可能性が下がる。

こんな方にオススメ:子供がいるなど守るべきものが多い方。ある程度年齢が上の方。受験に対する覚悟がまだ持てていない方。今の職場の残業が少なく学習時間を十分確保できる方。働きながらでも勉強を継続できる意思の強い方。働きながらでも合格する自信のある方。

 

相対的に楽な仕事に転職して受験する

メリット:安定した収入を得つつも勉強時間を増やすことができる。

デメリット:転職活動するという手間が増える。楽な仕事ということは収入減少や将来性は転職前よりも下がる可能性が高い。思った通りに転職できない可能性がある。

こんな方にオススメ:今の職場で勉強を続けるのは無理だが、経済的な事情から仕事を辞めるのも難しい方。

 

最初から仕事を辞めて受験に専念する

メリット:受験に専念できて勉強時間確保できるので合格が最も近づく。

デメリット:経済的負担が大きい。受からなかった場合に人生をぶち壊す可能性がある。

こんな方にオススメ:絶対に合格する自信のある方。貯金があるなどある程度(1〜2年の生活費と予備校代ぐらい)の経済的余裕がある方。20代の若い方。

 

短答合格してから辞めて受験に専念する

メリット:短答合格して合格の確度がある程度高くなるまではリスクを抑えることができてリスクとリターンのバランスがいい。短答合格すれば家族にも退職を提案しやすい。

デメリット:実は論文(二次試験)より短答(一次試験)の方が難しい(合格率からみても低い)ため、働きながらだと結局短答合格が難しい。

こんな方にオススメ:いきなり辞めるほどリスクは取れない方。自分が公認会計士試験に合格できるか不安がある方。

 

最初に辞めて短答合格したら再就職して受験する

メリット:最も勉強の時間がかかる短答合格までを集中して勉強することができ短答合格の可能性が高くなる。一度短答に受かればその後の免除期間や科目合格もあるため、2〜3年での合格を目指すという計画が立てられる。

デメリット:再就職しても良い会社に入れるかはわからず、結局リスクヘッジにならない場合もある。論文合格の可能性は専念するより下がる。

こんな方にオススメ:1〜2年生活できるほどの蓄えはないが、とりあえず受験に専念したい方。短答が最大の山場と考えている方。

 

整理

結局それぞれメリットとデメリットがあるので、人によってどの選択肢がいいかは異なる。

自分の置かれた状況を踏まえてよく考えた方がいいと思う。

 

 

まとめ

 

 

-公認会計士・公認会計士試験


 comment
  1. テル より:

    こんにちは。以前、米国公認会計士について質問させて頂きました、テルといいます。
    質問のまとめ、ありがとうございます。

    できれば、米国公認会計士(USCPA)と日本公認会計士をどちらを目指すべきかの質問にもお答えいただけると嬉しいです。
    まだ本格的に勉強をしていない人たちの中には、同じような疑問を持つ人が多いと思いますので、実際に4大法人の経験がある主さんの個人的な意見は大変参考になるであろうと思います。

    よろしくお願いします。

  2. GTR より:

    テルさん

    コメント返しました。ご確認ください。

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