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5月短答不合格後にやるべきこと

2017/06/10

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こんにちは。公認会計士GTRです。

先日、5月短答後論文に合格するまでにやったことについて書いたが今回は5月短答落ちたときにどうすべきか、私なりに思うことを書いてみる。

なお、合格発表前のタイミングでは落ちたことが100%確実だという人以外は合格を信じて勉強することをお勧めする。

とくに、2017年5月短答は試験問題は相当難化がみられ、ボーダーラインも12月よりかなり下がるという予想もあるようなので、自己の判断で勉強をやめてしまうのはおすすめしない。

従って、以下は不合格が確実な人に向けての内容である点ご注意を

 

 

まず一旦冷静になる

短答不合格(が確実)となった方、今どんな気分だろうか。

既に次に向けて切り替えている人もいれば、まだショックから立ち直れない人もいるだろう。

最後の短答と決めてのぞんだ人もいるかもしれない。

12月短答は落ちても次の5月で受かれば論文に進めるが、5月短答に落ちると次の論文は1年と3ヶ月後。

人によっては撤退を考える必要があるかもしれない。

いずれにしろ、まず一旦冷静になる必要があると思う。

ショックを受けて自暴自棄になっている人はしばらく勉強から離れてリラックスしてみるといい。

なかなか気持ちを切り替えられないとは思うが、とにかく一旦気持ちをリセットする必要がある。

一人でいると色々考え込んでしまうので、人と会って話す方がいいと思う。

あるいは映画を見たり、漫画を一気読みしたりして、強制的に思考を変えてみる。

もう切り替えて勉強始めている人も、しっかりと原因分析をしないまま勉強をスタートするのは危険だ。

勉強を再開する前に、一度冷静になって自分お状況を見つめ直してみよう。

 

 

敗因を分析する

冷静になれたら、まずは原因分析をしてみよう。

撤退するか迷っている人は、やめるにしろ続けるにしろしっかり整理して決めないと、どっちに行っても後悔することになる。

既に続けるつもりの人は、次に受かるために今回の反省を活かさなければならない。今回の不合格という結果が単なる「失敗」となるか、合格のための「経験」となるかは自分次第だ。

 

敗因を分析する上では当日どんな問題を取れてどんな問題を落としたかや、どの科目が不合格の原因となったかという分析も大事だが、そもそも試験を受けるにあたって合格しうる水準まで達していたかという点も重要となる。

会計士試験は勉強量が膨大なため、予定通り勉強が終わらなかったということもありえるだろう。

むしろ初年度の方は満足いく水準まで達せた人の方が少ないかもしれない。

そういう人はなぜ勉強が終わらなかったのかをきちんと分析した方がいい。

勉強時間を確保できなかったのなら環境を変える必要があるかもしれないし、時間はあったのに勉強していなかったのなら今一度気持ちを入れ替えて試験にのぞむ必要がある。十分勉強したのに本番ど忘れした論点が多かった人は、インプットした知識をメンテナンスする習慣を身につける必要がある。

いずれにしろ、この一年間という長いスパンでのPDCAを回して、次のアクションのために生かして欲しい。

 

個人的にはどのような原因があるにしろ初年度の人はこの反省を生かせばまだまだ伸びしろはあると思う。

最初にイメージしてるより勉強はうまく進まないものだし、思ったより知識は忘れていくものだ。そういう経験を踏まえた上で迎える二年目はグンと実力が伸びたりする。

過年度生であっても実力が伸びていることが数字として現れているのであれば、基本的にやり方は大きく間違っていないと思われる。

一方で、ベテラン組で去年から成績が伸びていない人は、何か抜本的な改善が必要になるだろう。

 

 

 

試験を継続するか撤退するか決断する

この試験ははっきり言って相当難しい試験だ。

人によっては「本当に努力すれば誰でも合格することができる試験」だという人もいるだろう。これを言うのは大抵予備校の講師だったり、合格者だろう。当然だが。

しかし、私はそうは思わない。

現実問題この試験の最終合格率は10%前後の試験である。それも、簿記やTOEIC等の資格試験と違い「とりあえず受けてみるか」という人はほぼいない。受験資格こそないものの、高い受験料を払って出願するので、受験の母集団全体が基本的に1年以上予備校に通い続けてカリキュラムをこなしてきた人達である。

勉強すべき範囲も膨大で、やる気のない人、勉強についていけない人達は途中で脱落していることも多いので、実際に試験を受ける時点ではある程度ふるいにかけられた人達が残ることになる。そして受験生の皆さんも知る通り母集団自体が高学歴である。

その上での10%。

 

確かに、合格者の多い早慶や上位国公立レベルの基本スペックであれば「努力すれば合格できる」かもしれないが、これまで20年間ぐらいをどう生きてきたかで、基本的な地頭の良さ、勉強する習慣、試験勉強に対する慣れ等は、現実問題結構な差としてあるものだ。

私はMARCHの中でも下のレベルの学部であるため、受験母集団の中で中の下、合格者の中では下の中ぐらいの位置にいると思っているが、受験を通じて高学歴集団との「普通」の基準の違いはけっこう痛感したものだ。

 

従って、予備校講師や合格者が言う「本当に努力すれば誰でも合格することができる試験」というのは、あなたのレベルから見りゃそうかもしれないけど、凡人からしたらそんな簡単な試験じゃないぜ。といつも思ってしまう。

予備校からすれば「努力すれば誰でも受かる試験」と言ってしまえば、人は集まるし、落ちた人は本人の努力不足と片付けちゃえるから簡単だ。あるいは勉強が得意な講師の立場からすれば本当にそう思えるのかもしれない。

じゃあ、落ちた人は全員努力不足なのか?私はそうは思わない。

 

私の周りでも、どう考えても限界まで努力して、答練等では上位に入り続けているのに短答に受からない人や論文三振してしまう人もいる。

「努力すれば誰でも受かる」とか「諦めるのは逃げ」と言ってしまうと、受かるまで勉強し続けるのが「正しい」かのように感じてしまうが、決してそんなことはないと思う。

受からなかったのは、努力が足りないとか、勉強方法が間違ってるとか、特別な原因があるわけではなく、どうしても合格に届かない人もいる試験というのが現実ではないだろうか。

だから撤退する人も全力でやれたと感じるならば自分を責める必要はない。受け続ければ合格する可能性は高まるが、自分の人生で機会損失が発生していることも軽視してはいけない。決して会計士だけが正解ではない。

 

勉強を続けている間は迷いを持っても仕方ないのでがむしゃらに勉強するのが正解だと思うが、受験勉強をしている間は視野が狭くなりがちだ。

会計士試験合格は最終的なゴールではないはず。何か手に入れたいものがあった、その手段として会計士試験を選択したはずだ。であれば、その最終的なゴールにとって、会計士試験がベストな選択なのかを、試験に落ちたこのタイミングでよく考えてみてほしい。

 

その上で、会計士以外の道を選択するのも決して間違いではないはずだ。

会計士試験を「続ける」か「あきらめる」という二択ではなく、「会計士を選ぶ」か「他の道を選ぶ」かといういうポジティブな選択として捉えた方がいい。

他の道を選んだ場合、これまでの勉強が無駄になる気がしてしまうが、会計士受験生のやっている勉強のレベルは相当高い。会計に関する理解はどんな道を選んでも経営層に近づけば必要になるタイミングが来ると思うので、いつかこの知識が生きる時は来るはずだ。

 

ただ、自分の限界を気軽に言い訳にするのは良くない。

「これだけやって無理だったんだから、やっぱり自分には無理だったんだ」と言う人は多いが、本当にそうだろうか。

誰よりも長く自習室にいたか?

机に向かっている間集中し続けたか?

ついついスマホをいじってなかったか?

答練から逃げていないか?

人間は自分に甘いし、意外と自分のことをわかってなかったりする。

最終的に、自分で自分自身に嘘偽りなく「やりきった」と言えるかどうか。

会計士試験の撤退が「逃げ」である場合は、他の道を選んでも同じ失敗を繰り返す可能性が高いだろう。

 

なお、個人的には会計士試験は「努力すれば誰でも受かる」とは言えないものの、「死ぬ気で頑張れば凡人でも合格が現実的な試験」というイメージだ。合格すれば年収1000万円程度はほぼ達成できるので、やはり私のような凡人にはかなり良い資格だと思う。

一方で、会計士試験である程度のレベルに達していれば試験に合格せずとも会計知識のレベルはそれなりに高いと思っていい。

必ずしも資格を取らずとも活躍する道はある。それについては「会計士試験撤退は負けなのか〜資格取得にこだわらない会計知識の活かし方〜」という記事で詳細にまとめたのでそちらをご覧頂きたい。

会計士試験を続ける道を選ぶにしろ、他の道を選ぶにしろ、選んだからにはその道で全力で頑張ってもらいたい。

 

 

次の短答受け直すと決めたら計画を立て直す

しっかり考えて試験を続けることを決めたら、もう一度次の12月短答から8月論文までの計画をしっかり立て直すことをおすすめする。

1年目の計画がうまくいかなかったのは何か理由があるはずだ。

計画を立てる上では予備校の講師に相談するのもいいだろう。

特に短答に関しては、5月短答ギリギリで落ちた人にとっては次の12月短答まで半年あれば十分合格可能に思えるだろうが、決してそんなことはない。

ボーダーギリギリのラインで落ちる人は相当の数がいるし、次の代の受験集団だって当然次の12月短答には相当仕上がってくる。

私の周りを見てても、毎年「あと1問」「あと1%」「あと1点」に届かない人は本当に大勢いた。

結局半年後だろうと、1年後だろうとこの「あと少し」には大きな壁があることを十分意識して欲しい。

 

 

会計士試験で必要になる知識量は膨大なため、勉強してインプットされる知識があれば忘れてしまう知識もある。勉強を続けただけ右肩あがりで知識量が増えるなんてことはありえない。それがこの試験の難しさでもある。

試験に落ちる人を見ていると、けっこうこの「忘れる」ということを軽視しがちな気がする。

今週この論点を完璧にして、来週はこの論点、一ヶ月後はこの論点、インプットするだけなら可能だろうが、今週やった論点を半年後、一年後に忘れないようにする工夫をしているだろうか。

インプットした知識は、次に見直すまで時間が空けば開くほど再復習に時間がかかるので、一定の周期で見直すことを意識した方がいい。

 

 

それから、必ず現実的な計画を立てること。

ちょっとキツいぐらいの計画を立てた方が頑張れることもあるが、無茶な計画を立てれば計画としての意味がなくなってしまう。

これまでの自分の勉強の仕方を見て、現実的に集中できる時間で計画を立て、適切な休みを入れた中で勉強が終わるように計画を組むこと。合格までの計画を立てたら、これを一ヶ月単位、一週間単位の計画に落とし込むこと。

そして、一週間単位の計画まで落とし込んだら、実際に一週間勉強してみた結果を必ず振り返る。

一週間の計画が達成できなかったとしたら、それは自分がサボっていたか計画が非現実的かのどちらかだ。

一週間の計画が達成できないなら一ヶ月の計画も達成できないし、一ヶ月の計画が達成できないなら合格もできないだろう。

合格までの長い道のりはそうした小さな積み上げであることを意識しよう。

 

 

 

勉強の仕方が間違っていないかを再確認する

敗因を分析した結果、勉強時間は十分確保したにも関わらず全然点が取れていなかった人は勉強の方法が間違っている可能性もある。

そんな時は根本的な勉強の方法に問題がないかをきちんと見直した方がいい。

間違った勉強方法で一度走り始めてしまうと、努力が無駄になってしまう可能性もある。

イメージは陸上競技における「走り方」だ。

正しいフォームを身につけることで、効率よく走ることができるし、スピードも上がる。

試験が迫ってくるとフォームを見直す時間がない。5月短答が終わって次の短答まで時間がある今がチャンスだ。

場合によっては予備校講師や周りの受験生に勉強方法を相談してみるのもいいだろう。

人によって勉強の仕方が合う・合わないもあるので、誰かに教えられたやり方に無理に合わせる必要はないが、客観的なアドバイスをもらうことはマイナスにはならないはずだ。

とにかく、今のうちに正しいフォームを身につけ、正しいフォームを意識した状態で走り出そう。

 

 

次の短答まで余裕があるうちに時間のかかることを優先してやる

具体的な勉強の進め方は各自の状況によって異なるが、次の短答まで余裕がある今のうちに時間のかかる勉強を優先してやろう。

今細かい短答知識を詰め込んでも本番までには忘れてしまう。

時間のかかる勉強とは、例えば以下のようなものだ

  • 苦手な科目の根本的理解
  • 論文試験で論述する必要がある趣旨などの丸暗記
  • 租税法の徹底復習
  • 計算科目の徹底復習
  • 論点を整理したまとめノートの作成

これらは試験が近づくとゆっくり時間をかける暇がなくなるため、余裕のある今のうちに徹底的に時間をかけて潰しておくといい。

その際に「今出来るようになる」ことはもちろん大事だが、「後で効率よく見直せるようにする」ことをきちんと意識して欲しい。

特に租税の計算等は、短答直前にはしばらく勉強しなくなるため、短答後見直す時間を短縮できるように工夫した方がいい。12月短答に合格すれば論文までは結構時間があるが、最悪12月に落ちればまた5月短答から8月論文を目指すことになり、短答後に十分な時間が取れないこともありうる。

 

 

最後に

どんな選択をするにしろ、それが正しい選択かを決めるのは自分次第。

試験を続けると決めた人はもう一年全力で頑張って欲しい。

くどいようだが、この試験は勉強する期間を後一年伸ばしたところで右肩あがりで成績が伸びるという単純なものでもない。

ギリギリ不合格とギリギリ合格の間には点差以上に大きな壁があることも何度でも言っておく。

だから、次の短答まで時間があるからと言って決して油断しないでもらいたい。

時間は思ったより少ない。5月短答後あまり遊びすぎると知識も一気に抜ける。

また一年間受験を戦う上でリフレッシュは大切だが、メリハリをつけて早めに勉強のペースを取り戻したい。

そして、試験直後の悔しい気持ちを絶対に忘れないで頂きたい。人間誰しも時間が経つと気が緩むものだ。

何年か試験に落ちたとしても、合格すればそれを帳消しにしてくれるだけのリターンはある試験だと思うので、ぜひ頑張って頂きたい。

 


 

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