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公認会計士の年収実態調査結果総まとめ

2017/03/19

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こんにちは。公認会計士GTRです。

今回はズバリ公認会計士の年収はいくらなのかというテーマについて書く。

当ブログではこれまでも監査法人の給料の実態については書いて来たが、今回は監査法人以外での公認会計士の年収についても調査した。公認会計士の年収というテーマの総まとめ的な内容となっている。

当ブログの検索流入におけるキーワードでも最も多いのが「年収」である。やはりお金の話はみんなが気になるところ。公認会計士になって監査法人に入ると実際いくらぐらいもらえるの?転職して監査法人以外の業界に行くと公認会計士っていくら稼げるの?といった疑問に答えたいと思う。

公認会計士の年収について調べた色々な調査結果を多面的に考察し、結局のところ公認会計士の年収がいくらなのかについて調査した結果を以下にまとめる。

 

 

四大監査法人の平均年収

ざっくりとしたイメージ

職位 年次 平均年収
スタッフ 1年目〜4・5年目 600万円前後
シニアスタッフ 4・5年目〜7・8年目 800万円前後
マネージャー 7・8年目〜12・13年目 1000万円前後
シニアマネージャー 12・13年目〜20年前後 1200万円前後
パートナー 20年目前後〜 1500万円超

このブログでも書いているが、一般的に大手監査法人における年収は上記のようなイメージと言われる。

ちなみに年次は順調に最短で昇格できた場合のイメージで、職位が上がるほど昇格のタイミングは人次第だし、マネージャー以上になると全員が昇格できるわけでもない。

法人ごとに給与の金額は異なるし、残業量や賞与の金額は同じ法人であっても人によって異なる。そのため必ずしも上記表に当てはまるとは限らないが、自分の感覚としてもそんなにズレはないという印象だ。

なお、どの法人もパートナーの報酬はピンキリなため、平均いくらというのは中々言えないが、最低でも1500万円ぐらいはもらっているというイメージ。営業強い人や経営幹部に食い込むレベルになれば数千万円もらっている人もいる。

と、ざっくりとしたイメージは上記の表の通りだが、これが本当に正しいのか。これを四大監査法人の実際の給与テーブルを元に試算してみる。

 

 

四大監査法人の基本給与テーブル

  新日本 トーマツ あずさ あらた 平均
スタッフ 30万円 30万円 28万円 28万円 29万円
シニタスタッフ 35万円 44万円 41万円 38万円 40万円
マネージャー 67万円 61万円 56万円 66万円 63万円
シニアマネージャー 80万円 72万円 68万円 80万円 75万円
パートナー ??万円 ??万円 ??万円 ??万円 ??万円

 

上記給与テーブルの出典は「六本木の公認会計士いきぬき(息抜き編)」というブログから。

個人ブログであるが、メルマガ読者から多数の調査結果を集めており、私の知る情報とも相違ないので、信頼性は相当高いものと思われる。

一部、同一職位の中で微妙に昇給があったり、入社年次によって給与テーブルが違ったり、地方だと手当が安くなったりするため、厳密には上記表の通りではない点は注意。

これを元に平均年収を推定してみる。推定する上では以下を条件とする。

  • 基本給は上記の給与テーブル×12ヶ月とする。
  • 賞与は上記の給与テーブル×4ヶ月とする。
  • 残業代は月労働時間を150時間とし、上記表の基本給÷150時間を基本単価。これに125%をかけたものを残業代とする。
  • 残業時間は月40時間×12ヶ月=年480時間とする。

基本給が給与テーブル×12ヶ月なのはまあ当然なのでいいだろう。

賞与については、法人によって、人によって、年によって違うが、平均すると概ね4ヶ月分はもらっていると思うので、最低ラインで4ヶ月と仮定。賞与は、最近だと親日本が少ないとか、あずさが多いとか言われるが、法人の業績の変動によって左右されるため、直近の実績を厳密に当てはめてもあまり意味がない。長い目で見れば平均化されると考えざっくり4ヶ月とした。

残業代は、上記表は手当を含むので単純に上記テーブルに125%とすべきではないが、逆に休日出勤や深夜残業等や超過労働時間の割増分を含めると125%を超えるはずである。そこで条件をシンプルにし、月の基本労働時間150時間(7時間労働で月21.5日)とし、その単価に125%を乗じるものとした。

残業時間についても人によって差はあるが、公認会計士協会の「監査法人退職後の進路に関する実態調査報告書」によると、四大監査法人を退職した人(アンケートで1,263から回答あり)の退職直前1年間の平均労働時間は2100〜2200時間程度が最も多く、7時間労働における年間基本労働時間を1650〜1700時間とすると、残業時間が450〜500時間となるため、月40時間と仮定する。(同報告書のデータを元に加重平均を算定しても残業時間は年間478時間となったため、だいたい合っていると思われる)

これらの条件をまとめて以下の式で推定年収を算出した。

年収=基本給 ×(12ヶ月+4ヶ月)+ (基本給÷150時間)× 125% × 480時間

すると以下の通りとなった。

 

 

四大監査法人の年収(推定)

  新日本 トーマツ あずさ あらた 平均
スタッフ 600 600 560 560 580
シニタスタッフ 700 880 820 760 790
マネージャー 1072 976 896 1056 1000
シニアマネージャー 1280 1152 1088 1280 1200
パートナー ?? ?? ?? ?? ??

算定結果は上記の通り。なんと驚くことに算定結果の平均は冒頭で書いた「ざっくりとしたイメージ」とほぼ一致する結果となった。

このことから、一般的に言われているスタッフ600万円、シニアスタッフ800万円、マネージャー1000万円、シニアマネージャー1200万円、パートナー1500万円超という数字は、それなりに信憑性のあるものだと言えそうだ。

なお、上記計算はかなりざっくりとした条件で算出しているため、法人ごとの金額はけっこうブレる可能性がある。特に、基本給与の中で手当の割合が大きいトーマツは残業代がもう少し少なくなる可能性があるし、あずさは他の法人より賞与が手厚いと言われるから、マネージャー以上はプラス100〜200万円程度上ブレする可能性がありそうだ。しかしそれら多少の変動要因を考慮したとしても、平均値はそれほど大きく変動しないんじゃないかと想定する。

従って当ブログの結論としては、大手監査法人の平均年収はスタッフ600万円、シニアスタッフ800万円、マネージャー1000万円、シニアマネージャー1200万円、パトナー1500万円超であると結論づける。

 

 

 

中小監査法人の平均年収

中小監査法人については、残念ながら私の周りで働いている人が少なく、なかなか正確なデータを入手することが難しい。

また中小と言っても、太陽のような準大手から数人の小規模監査法人まで幅広く、一括りにするのも無理がある。

それでも一般的には準大手で四大のマイナス100万前後、中小でマイナス200万円前後と言われることが多いようだ。公認会計士ナビなどのサイトを見ても同様の数値が書いてある。また、ここ数年中小監査法人からの自分の法人への転職者もけっこういるが、やはり残業代が出なかったりで100万〜200万円程度安いようだ。

そこで当ブログでは「中小監査法人は四大の平均年収よりマイナス150万円程度少ない」と仮定し、中小監査法人の平均年収は以下の通りと結論づける。

職位 年次 平均年収
スタッフ 1年目〜4・5年目 450万円前後
シニアスタッフ 4・5年目〜7・8年目 650万円前後
マネージャー 7・8年目〜12・13年目 850万円前後
シニアマネージャー 12・13年目〜20年前後 1050万円前後
パートナー 20年目前後〜 1350万円超

ただ、あまりにも適当な算定なのであくまで参考値という感じだ。もし詳細な情報が入ったら更新したい。

 

 

監査法人以外で働く公認会計士の平均年収

さて、ここまでは監査法人での年収について書いてきたが、公認会計士の活躍する場所は監査法人に限らない。そこで今度は監査法人以外で働く場合の公認会計士の年収について考えて見る。

監査法人で働かない場合は、一般事業会社、コンサルティングファーム、税理士法人、独立開業などが考えられ、どんな仕事に就くかで年収はかなり変動するため、一概にこうだと言うのは難しい。

そこで、今回注目したいのは、公認会計士協会の「監査法人退職後の進路に関する実態調査報告書」という調査結果だ。この調査は公認会計士協会の会員・準会員のうち、大手監査法人からそれ以外に転職した人4,636人を対象にアンケートを取り、そのうち1,263人(27.2%)の回答から、転職後の状況を調査したものである。

監査法人以外で働く公認会計士を対象とした調査としては最大規模であり、信頼性も高いのでこの数値を抜粋する。

 

公認会計士協会の調査結果

年収レンジ レンジの平均 人数 構成費 加重平均年収
600万円未満 500万円 348 28% 138
600〜800万円 700万円 297 24% 165
800〜1,000万円 900万円 243 19% 173
1,000〜1,500万円 1250万円 252 20% 249
1,500〜2,000万円 1750万円 58 5% 80
2,000万円以上 3000万円 65 5% 154
合計   1,263 100% 960

年収分布

この調査結果によると、大手監査法人退職後の年収は上記表の通りとなる。

「レンジの平均」と「加重平均年収」は私が勝手に推定したもので、「年収レンジ」から「レンジの平均」を算定し、それに構成費を乗じたものを合計して「加重平均年収」を算出した。

そうすると、監査法人以外で働く公認会計士の平均年収は960万円という結果となった。

なお、回答者の属性としては、平均年齢は44歳であり、95%が公認会計士であり(それ以外は試験合格者等)、男性が87%女性が13%とのことである。

さらに興味深い回答結果としては、四大監査法人からの転職前後での年収の変化は、同水準が44.6%増加が22.5%減少が32.9%という結果になった(年収に変動があっても上記表の年収レンジを超えた増減がない場合は同水準に含まれる)。年収は上がるよりは下がることの方が多いと言えるが、7割程度の人が維持又は上昇しているとも言える。

監査法人以外へ転職した場合でもそこまで極端に年収は下がらないと考えてもいいと思う。

なお、もう一つ興味深い回答として、監査法人を退職したことについては、「大変満足している」と「おおむね満足している」を合わせると実に85.4%の人が「満足している」と回答している。

 

 

転職市場における業界別の公認会計士の平均年収

もう1つ調査結果として転職サイトの調査結果を見てみたいと思う。

参考にするのは公認会計士の転職を得意とする管理部門特化型転職エージェント「 MS-JAPAN」が運営する情報サイト「KAIKEI FAN」だ。

色々調べたが、調査結果の数値をしっかり示しておりかなり信頼できそうなのでこの調査結果について見てみる。

同サイトによると、20~35歳の公認会計士897名を対象として調査をしたところ、業界別の平均年収は以下の表の通りとなる。

 

転職サイトの調査結果

順位 業界 年収
1位 ファンド・投資銀行 800〜1000万円
2位 コンサルティングファーム 650〜850万円
3位 BIG4監査法人 600〜800万円
4位 一般企業(経営企画) 550〜750万円
5位 中堅・中小監査法人 500〜700万円
6位 一般企業(経理) 500〜650万円
7位 税理士法人 400〜600万円

 

四大監査法人より年収水準が高いのは、ファンド、投資銀行、コンサルティングファームといった業界。やはり年収水準は相当高い。ただし、一般的にこれらの業界は激務で厳しい成果主義によって年収も左右される傾向にあるようだ。

一般企業でも経理と経営企画では年収に100万程度の差がある。

そしてやはり中小監査法人は大手より100万円程度給与水準が低く、税理士法人はさらに下がるという傾向があるようだ。

なお、このデータにおいて注意して欲しいのは、当該調査は転職エージェント会社によって行われており、調査の母集団は転職しようとする20〜35歳を対象としている。従って、上記表の水準が各業界の平均ではなく、各業界の比較的若い人の年収であることは気をつけたい。実際はこの水準で転職し、そこから徐々に収入が上がるはずなので平均年収でみるともっと良いはずだ。

 

 

国の公表する公認会計士の平均年収

ここまで公認会計士協会と転職サイトの調査結果を見てきたが、最も公的な国の調査結果についても見てみよう。

ここで取り上げるのは厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」だ。

 

 

公認会計士・税理士の平均年収

  2014年 2015年
平均年齢 38歳 39歳
月額給与 46.7万円 51.6万円
年間賞与 270.8万円 170.7万円
平均年収 832.4万円 790.1万円

※月額給与は残業代や手当を含む額面金額で6月支給額をサンプルとしているとのこと。
※平均年収は月額給与×12+年間賞与で計算しているとのこと。

 

国の調査結果なので最も信頼性は高いのだが、公認会計士と税理士をひとくくりにしてしまっていることがこの調査結果のマイナスポイントだ。

前述した業界別の平均年収で見ても、税理士法人の平均年収は四大監査法人の平均年収より200万程度低いことからわかるように、監査法人よりも税理士法人は年収が低い。税理士法人でもBIG4は四大監査法人と同水準なのだが、監査法人と違ってBIG4系の税理士法人に入れるのはごくわずかである。

公認会計士の登録人数は28,160人(H27年12月31日現在)、税理士の登録人数は75,621人(H28年2月末現在)なので、上記の表はどちらかというと税理士の平均値に引っ張られているものと思われ、実際はもう少し高くなるのではないかと思う。

そこで、大手監査法人で働くことを前提とすると、下記表を見て頂いた方が良いだろう。下記は1,000人以上の事務所に所属する公認会計士・税理士の平均給与の数字である。

 

大企業で働く公認会計士・税理士の平均年収

  2014年 2015年
平均年齢 31歳 36歳
月額給与 50.4万円 57.6万円
年間賞与 469.2万円 221.8万円
平均年収 1074.5万円 913.2万円

大手監査法人で働く公認会計士という意味で言えば、年齢や平均年収から見てこちらの方が実態を正しく表しているように思う。

なお、当該調査のもう一つのマイナスポイントとして、この調査は6月支給額を元にそれを12倍して年収を算出しており、公認会計士のように繁忙期によって残業代が大きく変動する職業については正確なデータと言いがたい。そのため上記表でも2014年と2015年でけっこう差が大きい。

 

 

私の年収について赤裸々に書いてみる

さて、ここまで様々な調査結果を元に公認会計士の年収について考察してみた。

最後に、考察ではなく実績数値としては私自身の年収を晒してみたいと思う。

私は四大監査法人で働く公認会計士なので、基本的には最初に書いた四大監査法人の年収水準と大差はないが、より具体的な数値を示す年収推移を書いてみる。

 

年次 職位 年収 最高月額
1年目 スタッフ 470万円 45万円
2年目 スタッフ 640万円 70万円
3年目 スタッフ 670万円 75万円
4年目 スタッフ〜シニアスタッフ 760万円 71万円
5年目 シニアスタッフ 900万円超 100万円

1年目は賞与が算定期間の関係から満額でず、現金主義的に見ると本来の理論年収水準よりももらう額は少ない。

2年目は1年目に比べてかなり増えている。これは、2年目は賞与が満額出るのと、2年目になり任される仕事が増え残業代も増えたため。それから、1年目はなんとなくどれぐらい残業代チャージしていいかわからず周りの目を気にして多少割り引いてたのが、2年目から「全部つけても大丈夫」ということに気づいたことによる。

3年目は2年目から大きな変動はないが、個人評価が良くなることで賞与が増え年収増加というイメージ。残業もこの年は多かったので、月額はかなり高め。私自身は監査法人の中でもかなり残業は多いほうだと思う。

4年目は年度の途中でシニアスタッフに昇格したのでスタッフとシニアスタッフの給料の複合となる。昇格年次であり個人評価も高かったので賞与も多かった。

5年目はまだ丸1年経っていないため、現時点の予測数値。7月時点の直近1年間(2015年8月〜2016年7月)実績で910万円程。やはりシニアスタッフに昇格したことで大幅に年収がアップしている。

 

 

 

 

まとめ

これらを整理すると公認会計士の平均年収は、概ね以下のような結論となるだろう。

四大監査法人であればスタッフ600万円前後シニアスタッフ800万円前後マネージャー1000万円前後シニアマネージャー1200万円前後パートナー最低1500万円〜ピンキリといった感じで、賃金基本統計調査によると大手監査法人であれば30歳前半で平均年収1000万円前後となる。

中小監査法人はこれより100〜200万円程度少ない水準となることが多く、税理士法人は中小監査法人よりさらに100万円程度少ない

監査法人以外で働く場合の平均値は、公認会計士協会の調査によると平均年齢44歳で平均年収960万円前後となる。大手監査法人の平均と同程度だが、平均年齢が大手監査法人より10歳ほど高いことから見て、大手監査法人よりは年収が下がるのが一般的であると言える。

業界別で言えば、四大監査法人より年収が上がるキャリアは多くはない。公認会計士として働く上で最も高い報酬を得られるのは投資銀行・ファンドで、転職市場における20代〜30代前半の平均年収は800〜1000万円が見込め、四大監査法人より200万円程度高い。これは転職市場に出回る若手の水準なので、当然業界の平均年収で言えばこれより高い金額となる。コンサルティングファームも四大監査法人よりも高い報酬が見込める業界であり、転職市場における20代〜30代前半の平均年収は650〜850万円で四大よりも僅かに高い水準となる。

一般企業においては、経理部門だと四大監査法人よりも100万円超は下がるのに対し、経営企画部門であれば四大監査法人に近い水準の給料が見込める。転職市場における20代〜30代前半の平均年収は経理部部門で500〜650万円、経営企画で550〜750万円

これらを全てひっくるめて、賃金基本統計調査では公認会計士・税理士は平均年齢30代後半で平均年収が800万円前後となっているが、税理士の平均年収は公認会計士よりも低いと思われる。従って当ブログの結論としては、プラス100万円程度は高いと想定し、30代後半で平均年収900万円程度と予想する。この数値であれば前述した公認会計士協会の調査である平均年齢44歳で平均年収960万円前後とも整合する。

 

 

以上が当ブログにおける公認会計士の平均年収について考察した結論である。

 

公認会計士になって思うのは、とりあえず給料はかなり良いなということと、この資格があればハードに働いてガッツリ稼ぐことも出来るし、ある程度まったり働いてそれなりに高給ということも実現できる資格だなということ。

そういう意味で選択肢が増え、自分の人生の可能性を大きく広げてくれる資格だと言えるだろう。

 

 

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