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どこよりも早い2016年度公認会計士試験結果まとめと考察

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こんにちは。公認会計士GTRです。

ついに2016年度の論文式試験の合格発表が出た。

合格していた方、おめでとうございます。まだ就活もあるが、今年も売り手市場な状況で就職自体は容易なので、あとは本当に自分が行くべき監査法人をしっかり見極めて頂きたい。

不合格だった方、残念ですが、ひとまずお疲れ様です。個人的にはまだ短答免除期間がある方は諦めずに頑張った方がいいと思っているが、各人の状況にもよるところはあると思うので、一度落ち着いて今後のことをよく考えてみて欲しい。三振してしまった人は特に。それから、出来が悪くても全科目の科目合格に自分の番号がないかはチェックしてみて損はないと思う。

さて、就活や不合格となってしまった人向けの内容は後日きちんと書くとして、取り急ぎ公認会計士試験の合格率の推移をまとめて最近の動向について整理してみる。

 

 

2016年公認会計士試験の結果概要

受験者数及び合格者数のまとめ

総数 旧2次試験合格者 実質受験者
願書提出者数 10,256 117 10,139
短答 受験者 8,644  0 8,644
合格者 1,501  0 1,501
論文 受験者 3,138 117 3,021
合格者 1,108 10 1,098
最終合格率 10.8% 8.5% 10.8%

受験者数は2010年の25,147人(旧二次試験除く、)以降減少傾向が続き、2015年には10,050人にまで減少して板が、今年ついに増加に転じた。同じく合格者も2010年の1,923人以降減少が続いていたが、2010年以来初めての前年比増となった。合格率については後述する。

 

合格者の概要

合格ボーダー

52.0%以上の得点比率を取得した者。
ただし、試験科目のうち1科目につき得点比率が40%未満のものがある場合は不合格。
科目合格は55.7%。

 

合格者の年齢

最高年齢は 67 歳、最低年齢は 19 歳
合格者の平均年齢は 26.2 歳

 

合格者の性別

男性 872 人、女性 236 人
男女比 78.7:21.3

 

合格者の学歴別構成比

アカスク卒 8.4%
アカスク在学 2.0%
院卒 3.5%
院在学 1.2%
大卒 40.5%
大学在学 37.2%
高卒 5.5%
その他 1.7%

母集団として最も多いのは大卒の4割。院生を含む学生が4割程度。アカスク(会計専門職大学院)も1割弱とそれなりの数いることがわかる。また、高卒も5.5%と、必ずしも全員が高学歴ではないことを示している。

 

合格者の年齢別構成比

年齢 受験者数 合格者数 合格率
20歳未満 168 13 7.7%
20〜24歳 3343 565 16.9%
25〜29歳 2383 270 11.3%
30〜39歳 2845 212 7.5%
40〜49歳 999 37 3.7%
50〜59歳 363 9 2.5%
60〜69歳 155 2 1.3%
平均 10,256 1108 10.8%

年齢は20代前半が最も高い。勉強に専念できる学生が多いことが要因だろう。20代前半は受験者数の構成比は3割程度だが、合格者の構成比は半分にまでなる。

 

 

得点分布

※赤字は合格ボーダーライン

人数
得点比率 単純人数 左記の内40%未満不合格 合格者数
67% 1 0 1
66% 2 0 2
65% 0 0 0
64% 7 0 7
63% 4 0 4
62% 13 0 13
61% 23 0 23
60% 40 0 40
59% 47 0 47
58% 75 0 75
57% 82 0 82
56% 141 2 139
55% 153 1 152
54% 162 1 161
53% 196 3 193
52% 174 5 169
51% 180
50% 186
49% 162
48% 114
47% 119
46% 123
45% 102
44% 80
43% 74
42% 51
41% 51
40% 38
30〜39% 231
20〜29% 51
10〜19% 53
1〜9% 52
0% 3
答案提出者合計 2,790 12 1,108

合格者1,098人に対し、あと1%で合格だったという人が180人いる。これが試験の難しさ。
また、合格ラインは超えているが足切りにあった人が12人いる。
そして受験者3,138人に対し答案提出者数が2,790であり、350人近くが試験を受けていない。何があったのだろうか。

 

 

一次試験(短答式試験)合格率推移

※受験者数は「願書提出者数」を意味する。(監査審査会の2012年までの定義。2013年からは欠席者数を除いた数値を「受験者数」としているが、比較のため旧い定義に合わせている)

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格ライン
2006 16,210 5,031 31.0% 69%以上
2007 14,608 2,709 18.5% 65%以上
2008 16,217 3,515 21.7% 65%以上
2009 17,371 2,289 13.2% 70%以上
2010 12月 17,583 1,576 9.0% 71%以上
5月 17,660 820 4.6% 71%以上
2011 12月 17,244 1,708 9.9% 73%以上
5月 14,970 523 3.5% 73%以上
2012 12月 13,573 820 6.0% 70%以上
5月 10,722 454 4.2% 67%以上
2013 12月 9,984 1,071 10.7% 67%以上
5月 7,966 695 8.7% 67%以上
2014 12月 7,689 1,003 13.0% 70%以上
5月 6,567 402 6.1% 68%以上
2015 12月 7,207 883 12.3% 60%以上
5月 6,058 624 10.3% 67%以上
2016 12月  7,030 863 12.2%  67%以上
5月 6,331 638 10.0% 66%以上

短答の合格率は概ね去年と同じ感じで、大きな変化はない。
2010〜2012年は各回で数%という低い合格率であったが、2013年以降は合格率が上昇しており、2015年と2016年は12月と5月で共に合格率10%を超えている。12月短答の方が合格率が高く、5月担当の方が合格率が低い傾向は依然として続いているようだ。

 

 

二次試験(論文式試験)合格率推移

※下記の人数には旧二次試験の合格者数は除外している。

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格ライン
2006 5,132 1,372 26.7% 52.0%以上
2007 6,320 2,695 42.6% 51.0%以上
2008 7,034 3,024 43.0% 51.0%以上
2009 5,361 1,916 35.7% 52.0%以上
2010 5,011 1,923 38.4% 52.0%以上
2011 4,254 1,447 34.0% 52.5%以上
2012 3,257 1,301 39.9% 52.0%以上
2013 3,069 1,149 37.4% 52.0%以上
2014 2,836 1,076 37.9% 52.0%以上
2015 2,956 1,030 34.8% 52.0%以上
2016 3,021 1,098 36.3% 52.0%以上

論文の合格率も大きな変化はない。ここ数年は得点比率52%で安定している。

 

 

公認会計士試験 受験者数と合格率の推移

※下記の人数には旧二次試験の合格者数は除外している。

受験者数 合格者数 合格率
2006 16,311 1,372 8.5%
2007 18,220 2,695 14.8%
2008 19,736 3,024 15.3%
2009 20,443 1,916 9.4%
2010 25,147 1,923 7.6%
2011 22,773 1,447 6.4%
2012 17,609 1,301 7.4%
2013 13,016 1,149 8.8%
2014 10,712 1,076 10.0%
2015 10,050 1,030 10.2%
2016 10,139 1,098 10.8%

ご覧の通り合格率は2011年の6.4%が最も低く、その後は年々増加傾向が続いており、今年は2009年以降最も高い合格率となっている。
数値だけで見ると年々受かりやすい試験となっており、今がチャンスと言えるだろう。

 

まとめと考察

合格者数強制増加→大量合格→監査法人キャパオーバー→合格者数強制減&就職難という、一連の金融庁の愚策のせいで、近年は公認会計士試験の人気が大きく低下し、今度は人気低下→受験者数減少→合格者数減少→監査法人人手不足という流れが続いていたが、今年はようやく受験者数が増加。

合格率も上昇傾向が続いており、数字の上では一時期よりも受かりやすい試験になっていると言えるだろう。

しかし、難関資格には変わらない訳で、落ちた人も努力したのであれば恥じることはないし、これから試験を受ける人も安易に受けることはオススメしない。

とは言え、合格率の上昇が続き、誰でも監査法人に入れる状況も続いているため、今年受験者数が増加に転じたように今後公認会計士資格の人気が回復する流れはおそらく間違いないだろう。受験者数が増えればどこかで合格率下落や監査法人就職難という状況が再度来ることも考えられる。

もし、本気で公認会計士になりたい人にとっては、今の状況は間違いなくチャンスだ。一人でも多くの人がこのタイミングを逃さず、早めに合格して公認会計士になれることを願っている。

 

 

-公認会計士・公認会計士試験


 comment
  1. hiroki より:

    難くせつけるつもりはないのですが、細かく数字を挙げてるので一点質問があります。

    07年の論文合格者数、4000人くらいじゃなかったんでしたっけ?
    自分の記憶違いかと思って過去の合格発表を再確認したんですが、やはり4000人超のように記載されてました。
    見方が違ってたらすみません。

    せっかくのキレイなデータなのでご確認ください。

  2. GTR より:

    hirokiさん

    コメントありがとうございます!上記の表からは旧2次試験の合格者の方は除いているため、というのが理由ですね。旧2次試験の合格者数の中で論文に受かった人が1346人いたため、その分が差になっています。
    わかりやすくするため注釈をつけました。
    こういうご指摘は大変ありがたいです。
    ありがとうございます。

  3. hiroki より:

    丁寧なご回答ありがとうございます。

    なるほど、納得しました!
    大多数の受験生向けのデータとして、旧2次試験合格者数を除いたデータの年度比較がより重要ですしね。

    大変参考になりました。

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