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監査法人日記3〜初めての棚卸立会・倉庫編〜

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※登場する人物名・組織名は全て仮名です。


 

 

2月いっぱいで研修は終わり、3月1日から各部署への配属となった。

金融部門などではその後部門内でさらに研修をするが、通常はここで研修は終わり。

各部門へ配属されると、そこで新人歓迎会が開催された。

初めて会う先輩、上司。

歓迎会では新人が一人ずつ自己紹介をおこなう。

私はここで少しでも印象を残そうと一発芸を披露。ややウケだったが、その後現場で会った先輩には「一発芸してた子でしょ?」と覚えててもらえた。

 

 

 

 

部門へ配属されると、新人にも担当のクライアントが割り当てられる。

私が担当することになったのは、自動車メーカーの下請け、雑貨等を取り扱う小売業、最近上場したITベンチャー、中堅商社、中堅建設業。

会社の決算日は3月が一番多く、次いで12月が多い。それ以外だと小売業は2月決算が多いという特徴がある。

金商法監査のある上場会社だと監査が入るのは決算日の翌月。会社法だと意見日までの猶予が長いので決算日の翌々月に監査に入ることが多い。

 

 

 

配属されると3月決算の小売業の監査チームに合流した。

仮に会社名をニコニコマーケットとしよう。

監査チームは主任、シニアスタッフ2名、先輩スタッフ3名、そして私というメンバー。

一番年の近い後藤という先輩が色々教えてくれた。

 

 

3月決算の期末監査スケジュールを整理してみる。

  1. 3月中は監査計画の最終的な見直しなどが行われる。
  2. 決算日の3月31日。この日は店舗へ行き棚卸立会を実施する。
  3. 4月1日は本社へ行き現金や有価証券の実査を行う。銀行と証券会社へ確認状発送作業を行う。
  4. 4月10日ぐらいには債権債務の確認状発送作業を行う。
  5. 確認状は随時回収しつつ、4月15日ぐらいからクライアント先に往査しての現場が始まる。
  6. そこから3〜4週間ぐらいで監査をし、ゴールでウィークの前後で監査が終了する。

 

 

こんな感じだ。

配属されて3月中はあまりやることはなく、事務所内でコピーとるなどの雑用をお願いされたり、クライアント先の過去の監査調書を見て会社のことを把握したりしていた。

3月31日には、いよいよ初めての棚卸立会が行われる。私は後藤先輩と二人で倉庫の棚卸へ向かった。

 

 

 

 

小売業だと棚卸資産が重要な勘定科目になるので、棚卸立会は重要な監査手続き。31日は昼間は倉庫の棚卸がある。会社の人と倉庫へ行くと、現場の社員の人達がカウント作業を行っている。大きい倉庫だと1日では終わらないので一週間ぐらいかけて行っていたりする。

倉庫へ行くと所長さんが事務室へ案内してくれて、名刺交換。

 

 

所長「どうもー。ニコニコマーケット物流倉庫センター所長の吉田です。」

先輩「初めまして、武呂愚手監査法人の後藤ともうします。本日はお忙しいところありがとうございます。一日よろしくお願いします。」

GTR「初めまして。GTRです。よろしくお願いします。」

所長「何からやりましょうか?」

先輩「そうですね。そうしたら、本日の全体的なスケジュールを伺ってもよろしいでしょうか」

所長「わかりました。本日は昼の12時までにカウント作業は完了する予定です。ここの第一倉庫はカウント中ですが、隣の第二と第三倉庫は昨日までにもう全てカウント終わってますんで、すぐにでも見て頂けると思います。」

先輩「そうしましたら、まず第一倉庫でやっているカウント作業を拝見させて頂いてもいいですか?社内ルール通りカウント作業がダブルチェックで実施されているかを確認させて頂きます。その後は第二と第三倉庫に行き、実際の私達監査チームでテストカウント(会社のカウントが正しかったかを、監査チームで再度カウントして確かめること)をさせて頂きます。」

所長「わかりました。ではまずこちらに第一、第二、第三倉庫のレイアウトマップがあります。倉庫は広くて迷うと思うので、レイアウトマップは常に持ち歩いて下さい。それから、こちらが第二と第三倉庫でのカウント結果です。全在庫がリストに載ってますので、これを見ながらテストカウントして下さい。」

先輩「ありがとうございます。では早速参りましょう」

 

 

 

第一倉庫に行くと、サッカーコート10面ぐらいの広さの倉庫だった。

パートの人達を中心にカウント作業が行なわれている。

倉庫は大量のダンボール箱があり、作業者は段ボール箱を開けて中身をハンディと言われる端末でスキャンしていく。カウントが終わると箱は開けたままにしておき、別の担当者が今度は数だけを数える。ハンディのスキャン結果と別の人のカウント結果が一致していれば問題なしとして箱を閉じる。ハンディからカウント結果がシールに印刷される。「A0511箱 商品B 35点」というような感じだ。

カウント作業が社内ルール通り二人で行なわれていることを確認し、内部統制が有効に機能していることを確認できた。

次にカウント済みの第二倉庫へ移動する。

 

 

stockvault-boxes-in-a-warehouse138970photo by:freepik stockvault

 

第二倉庫では早速テストカウントに入る。まずはカウント結果の網羅性を確認する。

会社からもらったリストには箱番号とその中身が記載されている。

  • A0001:A商品 55個
  • A0002:B商品 100個
  • A0003:C商品 20個
  • A0004:D商品 60個
  • 〜略〜
  • E0905:X商品 200個
  • 合計:4,905箱 480,510個

という感じだ。

 

 

 

まずは倉庫内にある段ボール箱の数がリストと一致していることを確かめる。

所長「横1列に10個並べて、縦には5個積んであります。つまり、一列10×5=50個です。パッと見てもらえれば50個あるのがわかると思いますので、箱数カウントは難しくないと思いますよ」

GTR「では端からカウントさせて頂きます。」

 

〜1時間が経過〜

 

GTR「確かに4,905個カウントさせて頂きました。それでは、今度は箱の中身を開封し、カウント数が正しいかを確認させて頂きます。全部は見れないので、サンプルで20箱ほど拝見させて頂きますね。」

所長「わかりました。何かお手伝いできることがあれば行ってください。」

 

〜1時間が経過〜

 

GTR「ありがとうございました。どの箱もきちんとカウントされていました。」

所長「これでここでの作業は終了ですか?そろそろお昼に行きましょう。近くに美味しい蕎麦屋があるので私車出します。」

先輩&GTR「ありがとうございます。」

 

 

 

こんな感じで立会作業は進んで行く。

お昼から戻ると第二と第三倉庫でも同じような作業をやり、夕方には全ての作業が終了した。

 

 

 

先輩「本日はご協力頂きありがとうございました。無事全ての作業が終了しました。大きな問題点はございませんが、テストカウントで数件間違いがありましたのでそちらは修正して頂きました。人の作業ですので、多少の間違いはあるかと思いますから、許容できる範囲かと思います。それから、第三倉庫で2箱カウント漏れがあったので、これもその場でカウント追加して頂きました。カウントした箱にはわかりやすいところにシールを貼り、カウント前のものと区別することになっていますで、ルールを徹底して下さい。」

所長「いくつか不備があったようで申し訳ございませんでした。ご指摘頂いた箇所は改善します。」

先輩「よろしくお願いします。それでは本日はこちらで失礼します。ありがとうございました。」

GTR「ありがとうございました。」

 

 

 

こうして倉庫での立会作業は終了した。

最初は先輩と二人で移動し、何をするにも先輩のやる姿を見ながらできるし、先輩に質問できるが、倉庫は広いので先輩と離れて分担しなくてはならない。

初めて一人で作業しとても緊張したのを覚えている。

会社の人からすると新人とか関係なく、一人の会計士として扱われるので、質問とか来るとむっちゃビビる。

 

 

 

 

夜は店舗の棚卸立会だ。

 

 

 

 

続く。

 


 

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