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監査用語で浦島太郎を読んでみた

2017/01/08

XXXX年XX月期、ある村に、心のやさしい浦島太郎という新人会計士(試験合格者)がいました。

浦島太郎が海辺を通りかかると、ストレスのたまった会計士受験生たちが固定資産(器具備品「生物-その他のもの」耐用年数8年…一般的には亀と言われる)を捕まえてイジメていました。

「おやおや、かわいそうに。そんなにやると収益性が低下して減損することになるよ。逃がしておやりよ。」

「いやだよ。こいつ拾ったから取得原価0だもん。どうしようと、おれたちの勝手だろ。こんな器具備品は除却してやるぜ。」

見ると器具備品は涙をハラハラとこぼしながら、浦島太郎を見つめています。

そこで浦島太郎はお金を取り出すと、会計士受験生に見せびらかして言いました。

「ほら。まじめに勉強して会計士になればこんなに稼げるんだぞ。パートナーになればもっとすごいぞ。わかったら簿価0の器具備品をいじめるのはやめて、勉強しておいで」

「確かに。短答も近いしな。」

 

 

こうして浦島太郎は、会計士受験生たちから器具備品を受け取ると、

「大丈夫かい?もう、捕まって収益性を下げるんじゃないよ。次は除却されちゃうよ。」

と、器具備品をそっと、海の中へ逃がしてやりました。

 

 

さて、それから二、三日たったある日の事、浦島太郎が海に出かけると、

「・・・浦島先生、・・・浦島先生」

と、誰かが呼ぶ声がします。

「おや? 誰が呼んでいるのだろう?」

「わたしですよ」

すると海の上に、ひょっこりと器具備品が頭を出して言いました。

「このあいだは助けていただいて、ありがとうございました」

「ああ、あの時の器具備品」

「はい、おかげで命が助かりました。ところで浦島先生は、竜宮城有限責任監査法人へ行った事がありますか?」

「竜宮城?竜宮城って、どこの事務所?」

「海の底にある中小法人です」

「えっ? 海の底へなんか、行けるのかい?」

「はい。わたしがお連れしましょう。さあ、背中へ乗ってください」

「すごいね。そうなると君はもう器具備品ではなくて船舶「その他もの-その他のもの」で耐用年数は5年だな。会計方針の変更だ!」

「正当な理由として認められるでしょうか…」

 

 

器具備品改め船舶は浦島先生を背中に乗せて、海の中を潜っていき、やがて立派な建物へ着きました。

「うわあ綺麗だな。もう日付が回るというのにどのフロアも電気がついていて賑やかだ!」

「この建物が竜宮城監査法人の事務所です。さあ、こちらへ」

 

 

船舶に案内されるまま進んでいくと、美しい乙姫社員が、色とりどりの固定資産(器具備品「魚類」耐用年数2年)たちと一緒に浦島さんを出迎えてくれました。

「ようこそ、浦島先生。わたしは、この竜宮城の代表社員の乙姫です。先日は弊法人の船舶を助けてくださって、ありがとうございます。お礼に、弊法人事務所をご案内します。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね」

浦島先生は、竜宮城の応接室ヘ案内されました。

浦島先生が用意された席に座ると、器具備品「魚類」たちが次から次へと素晴らしいごちそうを運んできます。

ふんわりと気持ちのよい音楽が流れて、器具備品「魚類」たちの、それは見事な踊りが続きます。

「この接待っぷりはまるで2007年合格の就活のようだな」

 

 

盛大に迎えられた浦島太郎でしたが、すぐに所内でも有名な炎上ジョブにぶち込まれました。

「今辞められるとマジで回んなくなるから、あと少し居て、あと少しでいいから。人やめすぎててやばいから。」

と、乙姫社員に言われるまま竜宮城監査法人で働くうちに、三期の月日がたってしまいました。

ある時、浦島先生は、はっと思い出しました。

 

 

(終了考査、ヤバい)

 

 

そこで浦島先生は、乙姫社員に言いました。

「乙姫社員、今までありがとうございます。ですが、終了考査が近いので試験有給をとらせてください。」

「休むのですか?この繁忙期に?みんなが深夜まで働いているのに?」

「え、いや、さすがに試験前は休まないと・・・」

「普段からちゃんと勉強しとけば休まなくても大丈夫でしょ?」

(忙しすぎて勉強できねーだろ。これだから中小は)「そこを何とかお願いします。」

 

 

すると乙姫社員は、さびしそうに言いました。

「・・・そうですか。それはおなごりおしいです。では、餞別として玉手箱を差し上げましょう」

「玉手箱?」

「はい。もし修了考査が本当にやばくなったら開けて下さい。それまで決して開けてはいけませんよ。あと紛失したら始末書なので気をつけて下さい。飲んだら持つな。持つなら飲むな。」

「はい、わかりました。ありがとうございます。」

乙姫社員と別れた浦島太郎は、また船舶に送られて地上へ帰りました。

 

 

地上にもどった浦島太郎は、まわりを見回してびっくり。

「おや? わずか三年で、ずいぶんと様子が変わったな」

確かにここは浦島太郎がいた場所ですが、何だか様子が違います。

浦島太郎の家もありませんし、出会う人も知らない人ばかり。

そこで浦島太郎は通りかかった人にたずねました。

「今って何年ですか?え、XXXX年なんですか?」

どうやら浦島太郎が竜宮城監査法人に行っていた3年間のうちに、こちらの世界ではとてつもない時間が経っていたようです。

「ま、まじっすか・・・え、遡求基準て何ですか?臨時償却ってもうしないんですか?え、持分プーリング法も出ない?え?え?少数株主じゃなくて非支配株主??建物付属設備は税法上定額法になったの??」

 

・・・

 

(全く受かる気がしない)

 

 

 

「そう言えば、乙姫社員は言っていたな。修了考査が本当にやばくなったら開けろって。この玉手箱を開けてみるか。」

そう思った浦島太郎は、玉手箱を開きました。

すると中から、まっ白のけむりが出てきて、たちまち浦島太郎はおじいさんになってしまいました。

 

 

見た目が受験票の写真から全く変わってしまった浦島太郎は修了考査を受けることができませんでした。

 

 

おしまい。

 


 

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