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2016年マザーズIPO調べ(売上規模・時価総額・調達額等)

2017/09/19

 photo by:pixabay

 

こんにちは。会計士GTRです。

今回は最近のベンチャーIPOの動向を調べるために2016年のマザーズIPOについて色々調べてみた。

私自身が現在ベンチャーで働いているため調べてみようと思ったことがきっかけだが、せっかくなのでブログにまとめてみる。

いわゆるスタートアップ・ベンチャーのIPOについて調べるので、マザーズのIPOに限定した。

(単位は具体的記載がある場合を除き百万円)

 

2016年と過去のIPO数の推移

(単位:社)

  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
東証1部 2 6 10 8 8
東証2部 5 6 10 9 5
マザーズ 23 29 44 61 54
ジャスダック 14 12 11 11 14
その他 2 1 2 3 2
合計 46 54 77 92 83

2016年の全体のIPO数は83社、マザーズでは54社であった。

2015年まで右肩あがりで増加していたものが、減少に転じた。

 

マザーズIPOの売上規模

2016年マザーズIPO企業の上場直前期の平均売上高は3,394百万円であった。

直前前期の平均売上高は2,586百万円なので平均売上高の伸び率は31.3%となる。なお企業別の売上伸び率の平均は38.2%であった。

  直前前期 直前期 伸び率
平均売上高 2,586 3,394 31.27%

 

直前期の売上規模を10億単位で階層化すると以下のようになる。

売上規模 社数 構成比
150億円台 2 3.7%
110億円台 1 1.9%
80億円台 1 1.9%
70億円台 2 3.7%
60億円台 3 5.6%
50億円台 4 7.4%
40億円台 3 5.6%
30億円台 3 5.6%
20億円台 10 18.5%
10億円台 13 24.1%
10億円未満 12 22.2%
合計 54 100.0%

こうして見るとやはりマザーズは売上規模のまだまだ小さい企業が多い。直前期の売上30未満の会社が6割超を占め、10億にも達していないような会社も2割超いる。

 

なお直前期の売上規模の上位10社と下位10社は以下のようになる。

上位10社

順位 会社 直前期売上高(百万円)
1 株式会社ベイカレント・コンサルティング 15,833
2 株式会社アイモバイル 15,063
3 株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス 11,377
4 株式会社デファクトスタンダード 8,622
5 株式会社ベガコーポレーション 7,493
6 株式会社フィット 7,033
7 株式会社グローバルグループ 6,917
8 株式会社アイドママーケティングコミュニケーション 6,574
9 株式会社ブラス 6,155
10 株式会社キャリア 5,795

下位10社

順位 会社 直前期売上高(百万円)
1 シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 599
2 グレイステクノロジー株式会社 728
3 株式会社アトラエ 837
4 株式会社PR TIMES 845
5 株式会社エイトレッド 845
6 株式会社シンクロ・フード 849
7 株式会社フェニックスバイオ 881
8 株式会社農業総合研究所 884
9 株式会社バリューゴルフ 943
10 株式会社グローバルウェイ 945

 

 

マザーズIPOの上場時時価総額

2016年マザーズIPO企業の上場時時価総額の平均は6,629百万円であった。

時価総額の規模を階層別に示すと以下のようになる。

時価総額 社数 構成比
300億円台 1 1.9%
200億円台 2 3.7%
100億円台 5 9.3%
90億円台 2 3.7%
80億円台 3 5.6%
70億円台 2 3.7%
60億円台 5 9.3%
50億円台 2 3.7%
40億円台 7 13.0%
30億円台 13 24.1%
20億円台 10 18.5%
10億円台 2 3.7%
合計 54 100.0%

上場時時価総額は20億〜40億円台が最も多く、100億超の会社も15%程度ある。

上場審査における最低ラインは10億で、10億円台で上場している会社も2社ある。

時価総額の上位10社と下位10社は以下の通り。

 

上位10社

順位 会社名 上場時時価総額
1 株式会社ベイカレント・コンサルティング 32,487
2 株式会社アイモバイル 29,243
3 株式会社アカツキ 26,002
4 株式会社ユーザベース 17,783
5 株式会社グローバルグループ 16,337
6 株式会社MS-Japan 12,407
7 株式会社キャリアインデックス 10,460
8 株式会社ストライク 10,107
9 株式会社アイドママーケティングコミュニケーション 9,734
10 株式会社エボラブルアジア 9,663

 

下位10社

順位 会社 上場時時価総額
1 株式会社はてな 1,322
2 株式会社ホープ 1,882
3 株式会社農業総合研究所 2,142
4 株式会社バリューゴルフ 2,150
5 ハイアス・アンド・カンパニー株式会社 2,177
6 フォーライフ株式会社 2,200
7 リファインバース株式会社 2,343
8 株式会社JMC 2,352
9 株式会社イノベーション 2,362
10 シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 2,460

 

マザーズIPO時の調達額

上場時の新株発行による調達額平均は745百万円

調達額を億円単位(10億以上は10億円単位)で階層化すると以下のようになる。

調達額 社数 構成比
40億円台 2 3.7%
20億円台 2 3.7%
10億円台 6 11.1%
9億円台 3 5.6%
8億円台 2 3.7%
7億円台 2 3.7%
6億円台 3 5.6%
5億円台 3 5.6%
4億円台 8 14.8%
3億円台 4 7.4%
2億円台 12 22.2%
1億円台 7 13.0%
合計 54  100.0%

 

調達額の上位10社と下位10社は以下となる。

上位10社

  会社 調達額
1 株式会社アイモバイル 4,396
2 株式会社アカツキ 4,246
3 株式会社グローバルグループ 2,500
4 株式会社フィット 2,022
5 株式会社デファクトスタンダード 1,793
6 株式会社MS-Japan 1,654
7 WASHハウス株式会社 1,426
8 株式会社ユーザベース 1,363
9 株式会社エボラブルアジア 1,116
10 株式会社アイドママーケティングコミュニケーション 1,008

 

下位10社

  会社 調達額
1 株式会社ベイカレント・コンサルティング 105
2 バーチャレクス・コンサルティング株式会社 131
3 フォーライフ株式会社 148
4 リファインバース株式会社 153
5 株式会社ホープ 154
6 株式会社スタジオアタオ 155
7 株式会社カナミックネットワーク 162
8 株式会社デジタルアイデンティティ 200
9 リネットジャパングループ株式会社 238
10 株式会社エディア 261

 

 

その他の財務指標

その他の指標の直前前期と直前期の金額及びその増加率は以下の通りとなる。

  直前前期 直前期 増加率
平均売上高 2,586 3,394 31.25%
平均経常利益 186 343 84.41%
平均純利益 89 203 128.09%
平均総資産 1,909 2,308 20.90%
平均純資産 657 927 41.10%
平均負債 1,252 1,381 10.30%

 

IPOを担当した監査法人、主幹事証券、株主名簿管理人

これからIPOを目指す企業にとって監査法人や主幹事証券選びは重要になってくる。

それぞれのシェアをいかに示す。

監査法人

順位 監査法人名 担当件数 シェア
1 新日本 18 33.3%
2 トーマツ 16 29.6%
3 あずさ 10 18.5%
4 太陽 4 7.4%
5 三優 3 5.6%
6 PwCあらた 1 1.9%
6 優成 1 1.9%
6 東陽 1 1.9%
  総計 54 100.0%

トップ3は三大監査法人で、3社合計で8割超のシェアを持っている。規模がでかいので当然といえば当然だが、規模で言えば大きいはずのPwCあらたが少ないのが目につく。逆に太陽と三優は非常に頑張っている。

ランキングで言うと、長年IPOはトーマツというイメージがあったが、最近は新日本に負けることも多くなってきた印象だ。

ただ東芝の事件の影響もあるので今後はどうなるかはわからない。

 

主幹事証券

順位 会社名 担当件数 シェア
1 SBI証券 12 22.2%
2 野村證券 10 18.5%
2 大和証券 10 18.5%
2 smbc日興証券 10 18.5%
5 みずほ証券 8 14.8%
6 東海東京証券 3 5.6%
7 いちよし証券 1 1.9%
  合計 54 100.0%


主幹事はSBIがトップ。その後に野村、大和、SMBC日興が同率で並んでいるという感じだ。少し数は劣るがみずほもほぼ同じ規模でトップ4を追いかけている。

 

株主名簿管理人

順位 会社名 担当件数 担当件数
1 三菱UFJ信託 21 38.9%
2 三井住友信託 15 27.8%
3 みずほ信託 15 27.8%
4 東京証券代行 3 5.6%
  合計 54 100.0%

株主名簿管理人は三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行の3社でシェアのほとんどを持っている状況だ。

 

 

監査報酬

自分が会計士なので監査報酬は気になるところ。

監査報酬の平均は直前前期が6.53百万円、直前期は9.75百万円

百万円単位(10百万円以上は10百万円単位)で並べるといかのようになる。

  直前前期社数 直前期社数
40百万円台   1
20百万円台   1
10百万円台 8 14
9百万円台 1 4
8百万円台 5 14
7百万円台 3 9
6百万円台 11 7
5百万円台 10 3
4百万円台 8 1
3百万円台 6  
2百万円台 2  
合計 54 54

当然だが全体的に直前前期より直前期の方が監査報酬は増加している。ただし、54社中4社は直前期の方が監査報酬が安かった。

なお直前前期から直前期にかけては監査報酬が平均60.1%上昇している。

 

監査法人別の平均監査報酬は以下のようになる。

  上場直前前期 上場直前期
PwCあらた 7.90 11.50
あずさ 7.10 9.13
トーマツ 6.29 12.16
三優 7.31 9.16
新日本 6.09 8.49
太陽 8.27 9.25
東陽 5.00 5.00
優成 3.50 7.00
総計 6.53 9.75

 

まとめ

以上、自分のためにまとめたデータだが、もし今後IPOを目指そうとする他の会社の参考になれば幸いである。

 

 

-ベンチャー・スタートアップ界隈の話


 comment
  1. 岩村 より:

    はじめまして。
    とても参考になりました!ありがとうございます。

    ちなみに、2016年東証一部の 調達資金の最高・最低、そして平均値はどのくらいになりますでしょうか?

  2. GTR より:

    岩村さん

    申し訳ありませんが東証一部は調べておりません。

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