監査とは何なのか。
監査とは悲しいもので、監査が注目されるときは決まって良くないニュース
監査とは
Contents
監査とは何か?監査の意味と必要性
まず監査ってなんだよって話だが、要は会社の成績表が正しいかどうかにお墨付きを与えるのが監査だ。
難しいことは置いておいて、漫画で説明しよう。
「成績表=財務諸表」の意味と信頼性
会社は事業をするためにお金が必要なので投資家の出資を募ったり銀行か借り入れたりしてお金を調達しようとする。
投資家も銀行も潰れそうな会社には出資したくない。有望な会社=成績の良い会社に出資したい。
そこで会社は自らの成績表を示して自分の会社が有望であることを示す。
しかし、会社が自分で作った成績表は簡単には信用できない。
監査法人が成績表にお墨付きを与える
そこで第三者がお墨付きを与えることが必要になる。
会計に精通した会計士の集団である監査法人が第三者の立場からお墨付きをあたえることで、投資家はその成績表を信じて投資することができる。
会社は資金調達という目的を達成することができる。
これが監査の目的である。
監査って何をしてるのか?
そんなわけで会社がお金を集める上では成績表にお墨付きをもらうことが必要だ。
上場企業の全ては監査を受けなくてはならず、上場してない会社も大企業は監査が義務となっている。
では実際に監査ではどんなことをやっているのだろうか?
監査手続き
監査でどんなことをするか
監査対象の会社に言って・・・
質問をしてその証拠を確認したり(質問)
取引のデータを分析し異常がないかを確かめたり(分析的手続)
取引の記録と請求書、契約書、銀行入出金記録といった証拠の一致を確かめたり(証憑突合)
現金が本当にあるのか数えたり(現金実査)
店舗に言って商品の棚卸し状況をチェックしたり(棚卸立会)
そんなことをやっている。
監査の限界
監査の手続きにおいてはいくつか重要な特徴がある。
- 監査は全部の取引をチェックするわけではない
- 監査は重要ではないことまで見ない
- 監査は不正の発見自体は目的としてない
- 監査は成績書に嘘がないこをと「完璧に」保証するわけではない
一般の人からすれば「なぜそんな中途半端なのか」「なぜ全部完璧にチェックしないのか」と思うのも当然だろう。
その点を漫画で説明したい。
なんとなく監査というものがわかって頂けただろうか。
監査法人は成績表にお墨付きを与えるために第三者の立場から成績表をチェックするわけだが、そこには限界がある。
脱税などを調査するいわゆるマルサや、企業不正を捜査する警察の特捜は「怪しい企業だけに的を絞って徹底的に調べる」のに対し、監査は「毎年全ての上場企業・大企業を重要な点に絞って調べる」ので、1件あたりかける物量が全く違う。
しかもマルサや特捜は国家権力であり強制捜査権を持つのに対し、監査法人には特別な捜査権限は全く与えられていないため、不正を発見するのは相当難しいし、制度上も不正の発見それ自体は監査の目的ではないとされている。
このあたりがいわゆる「監査の限界」というものだ。
というわけで後編に続く。
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